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二神約諾神話

2013-09-01 | 中世・近世史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月 1日(日)20時53分46秒

>筆綾丸さん
今日は禅宗関係の調べものをするつもりだったのですが、天気が良かったので、ふと思い立って石巻市雄勝町に行ってきました。
道中、蘭渓道隆のことをあれこれ考えていたのですが、鎌倉地震後の説法は「八幡菩薩と若宮王子が談合し、これ以後は戦乱を起こすことはやめて平和が訪れるようにしようと決めた」ということで、中世特有の「二神約諾神話」の要素を取り入れていて、これはけっこうすごいことのような感じもしてきました。
全体的には胡散臭い作り話ですが、蘭渓道隆は日本文化を相当深く研究していそうですね。
兀庵普寧に比べれば、禅そのものの世界では二流の人物なのでしょうが、外国文化の吸収に熱心で、しかもその成果を自分の説法に当意即妙に取り入れている点を考えると、蘭渓道隆は宗教家というよりはむしろ外交官的な素質がある人物なのかもしれないですね。
名前も「蘭渓」はずいぶん華やかで、言葉のセンスは良さそうですね。

「二神約諾神話」については、蘭渓道隆に関係するものではありませんが、ネットでは藤森馨氏の「二神約諾神話の展開」という論文を読むことができます。

http://www.gcoe.lit.nagoya-u.ac.jp/result/pdf/236-244%E8%97%A4%E6%A3%AE.pdf

>近衛宰子
高橋氏が紹介している山本みなみ氏の「近衛宰子論-宗尊親王御息所としての立場から」もネットで読めて便利ですね。
論文執筆時に山本氏は京都女子大学史学科三回生だそうで、正直、分析に甘いところはありますが、なかなか勉強熱心な人ですね。

http://rokuhara.sakura.ne.jp/organ/sion_009.pdf

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6901
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