五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

新緑の世田谷美術館

2014年04月23日 | 第2章 五感と体感
ここ二年ほど、世田谷美術館区民ギャラリーでの「江戸表具を愛する会」は、8月におこなっていましたが、今年は春に開催とということになり、寒い冬の時期から制作を始めた表具が、新緑の緑が萌える季節に命を吹き込まれたようです。

五月の連休一歩手前の週末に、砧公園をのんびりと散策すれば、新年度の疲れを癒すこともできそうです。

機械でプレスして仕立てる掛け軸とは違い、正麩糊となるべく手すきの和紙を使って、すべて手作業で仕立てる掛け軸は、日本の気候に馴染むことで、風情が出てきます。

そんな意味で、新緑の萌える気候に、和紙や裂が呼吸して息をするのは、ほんとうの事だと思っています。

手間暇かけた日本の技を見ていただけると幸いです。

技術の継承は、まずは観ることから始まります。

特に東京近郊では、表具という設えが遠い響きとなっています。観る機会、使う機会が無ければ、遠いものとなるのは当然のことでしょう。
でも、書や画を嗜む方々は大勢いらっしゃいます。
せっかくの書や画をプレスの機械で簡単に表装するのは勿体無いことです。

自分の作品にどのような裂地や軸先を着せて設えるか、考える事も制作の延長であるかもしれません。
裂を選ぶ時間は、とても贅沢な時間です。

源氏物語で光源氏が、自分と関わる女性たちに選んだ着物の裂はどれも選ぶ相手の個性を引き立たせる色や柄です。
それを選ぶ様子は、私が裂を選ぶ心持ちと通ずるものがあります。

もてなすことは、自分の心を相手に伝える大事な伝達手段です。

その心を育むには、少しばかりの教養も必要です。
おもてなしを感ずるには、感ずるための学びも必要なのが日本の文化の特徴でもあります。
察するには、五感を磨くことも大事なことです。

生涯学ぶことを続けながら、表装を通して伝えていきたいものです。

「江戸表具を愛する会」
今年も多彩な風情でお待ちしております。

そして、会期中御来場くださった皆さまに感謝申し上げます。

☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展開催中。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!私は23日水曜日、26日土曜日、27日日曜日にギャラリーに居ります。


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