五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

掛け軸から文化を視てみる

2014年04月19日 | 第2章 五感と体感
来週から始まる「江戸表具を愛する会」に出品するための掛け軸が家中に下げられており、あと少しだけ残った仕上げの作業がなかなか手をつけられないままに週末を迎えてしまいました。

今日は復活祭の前日。復活前夜祭。
復活祭を祝うための大量の卵をコトコト茹でながら、朝のブログ書きをしています。

掛け軸と云えば、仏教的なイメージもありますし、神道では、正絹の地模様の白だけで設えますが、今回は昨年訪れた熊野三山のヤタガラスだけで描かれた朱印を表装し、それを三山一組にして三副仕立ててみました。
神様に敬意を払い、白い色を取り合わせましたが、長らく保管していた裂を中心にしてみたので白い色を一部に使いましたが、全体的に色付き柄付きです。

遣隋使、遣唐使が船で行き来をする以前、海を渡り伝わってきたものはすでに私達の記憶の奥深くに宿り、意識化することはできませんが、現在に至るまで大切に正倉院に保管されてきた数々の物や飛鳥時代の仏を見るにつけ、それらを見て新鮮な憧れを抱いたいにしえの人の気持が湧きあがるように伝わってきます。

色とりどりのもの。
精巧なもの。

それらを見た人々はこぞってその技術を身につけようと努力したに違いありません。

室町時代に入り、茶の湯が流行り出すと
華やかさに飽きた数寄者が侘びや寂びから美しき定義を見い出していきます。

貴族文化が華やかさを極めようとする反面、
数寄を凝らす商人の旦那衆が茶の湯文化を発展させ、日本の文化に深みを与えていったのです。

源氏物語があたかも現実であったかのように現代の私達の個性に馴染んでいることも日本文化の特徴であるかもしれません。

あたかも~~のように振る舞う事がいつしか本当になっていくことも文化の育み方かもしれませんし。

演出すること。振る舞う事。
そうするには、意思と意志、それを実行し続ける決意も必要になります。

縄文からの時間の重なりの上澄みの様な処で生きている現代の私達にしても、更に重なっていく時間を見据えても見据なくても、同じ速度で積み重なっていくわけです。その同じ条件である「時間」をどのように過ごすかは、自分自身の見据え方次第でありましょう。

正倉院に保管された裂の数々も素晴らしいですが、現代の好みを数寄にすることも私達の役割かもしれません。

そんなことをツラツラ思いながら書いているうちに、そろそろ卵が茹であがった頃です。

皆さま、よき週末を~♪

☆☆
4月22日(火曜日14時~)~27日(日曜日)世田谷美術館区民ギャラリーにて「江戸表具を愛する会」の作品展を行います。新緑の季節、砧公園をお散歩がてら、ぜひ!


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