五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

東北の旅・遠野

2012年04月29日 | 第2章 五感と体感
数十年前から行きたいと思っていた場所にようやく念願叶った今回の東北の旅です。
平泉を巡り、二日目はいよいよ遠野へ。

東北自動車道を北に上り花巻から右に入り、一時間くらい走ると山に囲まれた大きな盆地に出ます。柳田国男の「遠野物語」は、私が心理療法を学ぶにあたり、教科書のような存在なのです。

遠野の言葉で語る言い伝えの話は、現在生きている人が、人生の先輩から聞き伝えられ、さらに後世に伝える「伝承の宝庫」と言っても過言ではないでしょう。
その伝承をそのまま聞き取り本にしたのが遠野物語です。

カウンセリングも常にその場に居合わせ、ありのままを傾聴することから始まります。そして、ありのままを傾聴することで終わります。
傾聴している私達は、何もしていないように見えますが、実はその作業の中には宇宙のように広い心模様と歴史と文化が裏打ちされている「壮大な一人の人」と向き合う事を意識します。そのためには、人を指導する勉強ではなく、私自身に柔軟性と包容力を養わせなくてはなりません。一方の思い込みで他者の話を聞くことがカウンセリングではないからです。

「神話(言い伝え)を大切にしない民族は滅びる」という言葉は、宗教心理学の学びの中から得た私の大きな矛先でもありますが、ほんとうにそうだと思います。

見たもの
聞いたもの
体感したもの
そしてその土地に宿る宗教感、風習
それらを、そのまま身体で感じることが、私の修行であると考えています。

そして、そのまま身体で感じたことに対して自分に湧き上がる感情と思考が、私自身の学びを進める道具となります。

遠野に立ち早池峰を拝みたかったのですが、あいにくの霧雨で白い雲に覆われ残念でしたが、河童淵の小川で釣竿を持ち、ガソリンスタンドではキツネに出会い(本当のキツネではなく道を間違えて教えてくれた女性の定員さんは実はキツネだったと思い込んでおります(笑))、朽ちかけた早池峰神社の鳥居に立ち、農道から見渡す田畑と民家に温かな人の営みを感じ、兎にも角にも、空気を吸う事ができたことに、大きな満足感を得ることができました。

遠野の伝承園の古民家で民芸品を作り販売している大正13年生まれのおばあちゃんの足腰の強さと細かい手仕事の正確さに感心しつつ、生涯現役の強さと誇りにあやかりたく、座り込んでお話を聞かせて頂きました。

次回は早池峰神楽を目当てに、そして次こそは早池峰の山を望むことができますように…。

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