五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

和様の書展

2013年09月09日 | 第2章 五感と体感
墨の香り。
炭の香り。

堪らなく好きです。自分の好みに合った香りで生活することがいかに贅沢なことであるか、最近は、昔は当たり前であったことが遠い理想となりつつあることに憂いを感じることもあります。

昨日が最終日であった国立東京博物館開催の「和様の書展」を見てきました。

不思議なことに、東博の敷地に入ると、やっているはずのない焚き火の香りで迎えられました。
よくよく考えると芸大の学祭が真っ最中。きっと学生が何かを燃やしていたのでしょうか?それとも寛永寺?どこから香るものかは謎でしたが、ともかく思いがけない香りで歓迎されたわけです。

平安時代から江戸にかけての和様を一気に観る事がでいる機会は、たぶんこれからもそう無いことでしょう。
江戸時代に至るまでの洗練性を長谷川等伯や狩野派の初期の画と重ねながら、日本人が歩んできたものを能書として選ばれてきた人々の筆使いを通して、心から堪能させていただきました。
国宝だからどうのというわけではありませんが、古筆の名品を収めた手鑑(てかがみ・大きな画帖)を拝見することができたことも大きな収穫でした。
平清盛が厳島神社に奉納した納経の一巻をしげしげと拝見することもでき、歴史に登場する天皇、将軍の書もあり、私が描いてきた歴史上の人物と対峙することもでき、書を見て至福を感ずるという体験をしました。

筆を持つことを暫くしていないのですが、二カ月ほど前に頂いた未使用の筆と硯は友人のお母様の形見です。
「書く時間を持ちなさい」と背中を押されていることを改めて感じています。

字は、人によっての好みもあるでしょうが、その人の体(タイ)を表すと云うのは、ほんとうの事だと思います。

展覧会には、多くの老若男女がひしめいていました。書道部の高校生が真剣に草書を見ながら語り合っている姿、小学生が読める字を探している姿、杖をついた人生の先輩がゆったりと書を愛でている姿、、、鑑賞している人々の姿も美しく、総体的に上質な展覧会であると思いました。

ついでに、、、。。。
東博のミュージアムショップがリニュアル。「ルーブル美術館のミュージアムショップよりも面白いですよ!」と太鼓判を押しておきます。企業努力しています。よろしいことです^^//

中国風ではなく、日本風であることを和様と云うそうです。平安時代、流行りのことを今様(いまよう)と云った事と同じく、なるほど、「風ふう」ではなく「様よう」と云うのは、現代日本の「~系」への元祖てきな言い回しなのかもしれません。



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