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出陣学徒壮行の地

2022-02-05 | Weblog

根っからのミーハーなもんで、無観客オリンピックのために巨費を投じて建造された維持費のかかる国立競技場をひやかしにきた。するとチケット売り場の真向かいに、出陣学徒壮行の地の石碑がぽつんと野ざらしになってた。

わずかでも維持費の足しにしようと、入場料を徴収して見学者を募る国立競技場。しかし、維持費を除いて国民1人あたり1万円、東京都民ほぼ10万円、五輪貴族どもの享楽の後始末として搾取される。ひどい話だ。ところで、出陣学徒壮行の地の石碑だけど、1931年の満州事変のあとも、1941年の真珠湾攻撃のあとも徴兵猶予されてた大学生のうち文化系の青年たちが1943年10月(敗戦の少し前)に猶予を解かれて、10万人ほど学徒出陣させられた。

半年のうちに世相は変わったと坂口安吾は戦後まもなく「堕落論」の冒頭に書いたが、戦後のみならず戦中も目まぐるしく世相が変わった。文部省主催の出陣学徒壮行会がこの地で東京周辺77校参加のもと断行された翌年、1944年にはさらに徴兵適齢の引き下げにより、残った文化系男子に加えて女子学生まで軍隊もしくは戦時生産に動員され、学園から人影が消えた。オリンピック観戦の学徒動員より酷だった。そして敗戦。

オリンピックやるには緊急事態宣言でコロナ封じるしかない →    コロナ封じは失敗だからオリンピック1年延期するしかない →     オリンピック延期で干上がる観光をどうにかするにはGoToキャンペーンしかない →    GoToキャンペーンで感染爆発が起きたけどオリンピックやるには緊急事態宣言が出せないからマンボウ(なんだそりゃ)出すしかない →    マンボウじゃ効果ないからオリンピックやるには緊急事態宣言しかない →    そんな茶番が繰り広げられて、半年もせず世相がころころ変わった。戦前・戦中・戦後の暗黒と、いまも変わってない。ミーハーの自分でもさすがにこれはおかしいんじゃないかと、リオデジャネイロ、ロンドン、北京、アテネ、シドニー……過去5大会の合計金額を上回る費用をかけたチャチな中抜きスタジアムの席に腰掛けて首かしげた。

 

 

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