雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

言葉数を減らして母は細りゆく優しきほどにも一度肥れ

2018-11-23 19:55:16 | Weblog

母に。


親の介護は本当に大変だ。母はまださほど重態ではないが、通院介助と家事炊事で一日が過ぎる。

仕事を休んでさえこれだから、働きながらの介護の疲労はどれほどだろう。

老親は我儘だから、黙って従っていると、次から次へとさまざま用事を言いつける。娘の疲労より、自分の病苦で頭も体もいっぱいだから。


ある時、疲れのために忍耐が切れ、母に文句を言ったら、母の口数が減ってしまった。

すっかり痩せて小さくなった母の顔をしげしげと見つめ、私は自責にかられるが自身のキャパシティ全開、いたしかたないと思う。

私は今まで、世間並みの親孝行など何もできなかった娘だ。

せめて母の最晩年は、穏やかに安楽にと願う。


暇を見つけて、今日から新しい絵を描き始めた。知人の女性。若くないが、老いには遠い。

ある年齢を過ぎた人間の顔は、そのひとの生きてきた時間が刻まれる。生まれついた顔立ちという器に、当人が湛えた感情や思想が人相を作る。

モデルの女性の魅力を、冷静に、お世辞なく、描きたい。

敬愛する画家は、近代ではワイエス。

彼のように描きたい。





良い日だった。


感謝。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雨避けてはなびらすくふ指先... | トップ | 少女なる髪の重さを測りたり... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。