冬の海に。
少しずつ介護生活も落ち着いてきた。
いろいろ思いがけないことがあるけれど、いつかはこんな、と考えていたから、あまり動揺はない。
それにしても、なつかしい鎌倉、由比ヶ浜。
坂の下から海岸に降り、稲村ヶ崎まで潮風を聞きながらよく歩いた。冬の季節はことに懐かしい。
閑散とした海岸と渚、カモメの鳴き声、人の気配、冬至に近づいてゆく午後の、冷たく穏やかな陽射し。
目に見える様々な景物の全てに余白と余韻があった。その隙間に潮騒が響いていた。
今は山梨にいて、こちらは晴天の日には、青紫の南アルプス、八ヶ岳、冠雪した富士山が冬空を飾る。
もう待降節だ。
感謝。