雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

月あかり静かに散りぬはなびらをゆるく重ねてつかのま過ぎし

2010-09-18 18:40:08 | Weblog
 月光と、来しかたに、ふと。




















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月映(つくばえ)の額(ひた)ひ静かな羽化のあとに薄血も滲む恋をするかな

2010-09-17 19:37:46 | Weblog


 月恋に












 
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こじあける力いとほし秋薔薇つばさの痕の緋(ひい)は深かり

2010-09-16 20:55:53 | Weblog


 秋の薔薇に。




















 
 
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秋雨は街を去りゆくしなやかに指ひろげなむ今日のいのちをはぐくむ

2010-09-15 08:46:47 | Weblog


 いのち、という言葉はとても複雑で、たやすくうたえないのだけれど、今日からちょっとむつかしいケアに移る。



 無事につとめられますように。



 雨あがり、大気は急速に秋の最中。





















 
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夢のあとに声ともなくて残るものわたしの指では届かぬところ

2010-09-14 19:29:54 | Weblog

 フォーレ「夢のあとに」を聞いて。







 これは…エリー・アメリンクかな……。

 どちらも、今ではすこし古いひとなのかもしれないけれど、わたしはキリ・テ・カナワの声がすきだった。



 ふろくのささやき。






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惜しみなくつとめ終へにし秋の扉(と)を押す手の首に震ふ鈴虫

2010-09-14 18:53:21 | Weblog
 いつしかとすだく鈴虫、夜さり。



 陽射しのまばゆさ、大気の乾き、桜落ち葉が一つ風吹くたびに、視界に散りかかる並木を歩いて帰った。



 この手足、今日もよく使ったこと

 ケアワークに慣れるにつれ、自分の体をに眺めることが多くなった気がする。


 疲れたときや、うっかり痛めたときなども、淡々と、どこが、どんなふうに?と考える。


 それから、次の仕事について、自分の枠組みを算段する。たいていはクリアしてきた。







 この秋から、また、すこし違った風に乗る。あたらしいチャレンジ。


 まだ経験の浅いワーカーのわたしの枠を、すこしずつひろげることができると思う。


 MyBody(nannchatte






 






 


 


 


 
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黄昏に朱霊を刈らむ海に行かず薔薇ひらくごと夕餉あつらへ

2010-09-13 16:53:35 | Weblog

 ドビュッシーの「聖セバスチャンの殉教」を聴きながら。


 葛原妙子さんの『朱霊』と。






 眼の前には松園さんの「序の舞」、大振袖の女人。


 モザイクのようなつぶやき。



 夕御飯は、何にしよう













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藤這ふは蜘蛛からむごと黒髪をゆらりと咬めば真朱(まそほ)噴くがに

2010-09-12 19:41:53 | Weblog


 「上村松園展」に行く。国立近代美術館。


 朝いちばんに出かけたのに、もう入り口は行列。それでも、はやばや到着した甲斐あって、たっぷりと時間がとれた。


 初期の作品からじっくりながめていって、目がいたくなるほど、まじまじと。


 きれいねえ……なんども心の中でためいきをつく。


 しげしげと見つめたのは、女人たちの額髪の生え際。

 それというのも、「紫式部日記」に、一条帝が、中宮彰子第一皇子御産のあと、土御門邸に行幸されたくだり。

 迎える紫式部の同僚の中宮仕えの女房たちの正装のさまを、紫式部がこんなふうに綴っていたこと、以前からわたしの興味のひとつだったから。


 


 ……みな精いっぱい着飾り、我劣らじとお化粧していれば、女絵の美しいのにそっくりで、差別もつけられない……こんな状態では、貌を隠した扇の上に出ている額の様子が、不思議にもそれぞれの容貌を上品にも下品にも見せるようだ……。




 これはどういうことなんだろう?と読むたびに考えた。

 それで、松園さんの美人画や、鏑木清方さんの絵を見るとき、ことさら額と髪の変え際を注意して見ていたのだけれど、なるほど、薄ぼかしの肌色が毛描きにうつっていく朦朧は、ほんとにあでやかに美しい。

 王朝の垂れ髪、江戸時代の島田、銀杏返し、洗い髪に鴛鴦髷、また元禄風と、さまざまな髪型が精細に描かれているけれど、額のあわあわとした彩り、紫式部の観察した王朝の濃化粧の上品なうつくしさとは、こんなふうかしら、などと思い思いしながら。

 

 そうして、ひさしぶりに「焔」に対面した。


 記憶は、時間と主観の混沌のなかで、自分勝手に変容する。

 じかにまみえるこの女人像の彩りは、お能ならば「紅(いろ)なし」で、青、緑、黄色系統の、しぶいものなのだった。

 でも、わたしの記憶のなかでは、題名どおり、火を噴くような朱色の絵姿に変わっていた。そのことに驚く。


 貌にふりかかる鬢のほつれ髪をくわえ、上半身をゆらりとひねって、あらぬかたを眺めやる情念をたたえたまなざし、鉄漿をつけた歯に、ぐい、としごかれる髪筋のかすかなきしみが聞こえそうな迫真。

 
 焔の気配などどこにもない、高雅な彩色の衣装は、でも蜘蛛の巣に藤が絡み揺れる、というぞっとするような艶冶。


 この女人そのものが焔なのだろう。



 松園さんは、この絵について、簡素でおだやかな思い出を綴っていらっしゃる。

 書き留められたその言葉に焔は見えない。







 もう一枚のお目当て「序の舞」は後期の展示とのこと、ざんねん。

 あちらは、隠れなくはれやかに、朱の振袖の女人が舞う。


 もう一回いきたいな……






 


 

 






 








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月光はすべらかに射す磨かれて硬貨鳴るごと残んの恋ある

2010-09-11 18:34:47 | Weblog


 いかにしてよるのこころをなぐさめむひるはながめにさてもくらしつ

                                           和泉式部








 すこし変わった言葉をうたいたくなって。



 題詠「残りの恋」




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やはらかに匙は運びぬ息ほそく伏したまふひとの口ちひさければ

2010-09-09 18:45:30 | Weblog


 まひる、さまざまを終えて。






 





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