まひる、ふと思いついたまま。
この仕事をしていると、さまざまな「ターミナル」に遭遇する。
ありのままにひとは生まれ、あるがままにみまかる。
亡くなる間際、走馬灯のように、人生のできごとが脳裏を駆けてゆくそうだ。
たぶん、光の速さで。あるいは光よりももっと速く。
なぜって、思惟は宇宙の彼方、さらに果てまでも想うことができる。
何億光年もかかって旅してくる光たちよりも、想いは瞬時に星座のはるかに飛べる。
だから、追憶の速度もそんなふうなのかもしれない。わたしの主観だけれど。
ロザリオの感触は、指にこころよい。
静かにつまぐると、想いのさまざまが光帯びてきらめくような……。
ケアのはざま、そんな物思いすこし。
画像は「空想」 シメオン・ソロモン