雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

さくら葉の溶けいるごとく陽に入りつはらわたに黄金(きん)の秋ぞ散るらむ

2010-08-27 20:01:18 | Weblog


 近所の桜並木、行き交いのたびに四季の表情をたのしませてくれる。




 夏蔭りさわやかな青葉は、八月半ばごろから、はやくも黄葉し、ちらちらといつしかアスファルトに葉を落とし始めていた。

 秋の情緒には、まだ早いのに、とうだるようなあぶら照りのなか、わたしはぼんやりと桜落ち葉をながめた。






 どういうわけか、ベランダの植木鉢にも桜の苗木がある。

 
 小鳥が種を落としたんだろうか。誰が植え込んだわけでもない、数年前、武蔵野で拾ってきたドングリを植木鉢に植えたら、かれんな芽吹き。

 それから野性の楢の木は、ちいさな鉢に根をまわし、枝を伸ばし、ろくに手入れもしないのに、ゆたかに葉をしげらせる。


 その小脇に、いつのまにか、違った種類の小株がのびている、と思ったらどうやら桜のよう。数年間、こんな異種の生え出る気配もないし、土は園芸店で仕入れたものだから、この種は、どこでいつから楢と同居しはじめたんだろう。


 鳥が落としたんだろうか?







 どうなるかなあ、と忙しさのせいもあって、ほったらかし、時折水やりだけして、悠長に数ヶ月眺めていたが、桜の若木は、けっこうしっかりと繁茂しはじめたので、むやみにひきぬくのもかわいそうになり、しばらく前に、この二株をわけて、それぞれを、もうすこし大きめの鉢に移した。


 どちらも、真夏の陽盛りに耐えて、ちゃんと根付いたよう。




 そうして、このちいさな葉桜も黄変を始めた。


 この子が花を咲かせるのはいつだろう。







 日脚が爛(た)け、午後の陽射しは、もじどおりうだるような毎日が続く。


 
 
 夏中、つめたいものばかり摂っていたせいか、ちょっと「陽あたり」気味の食欲。


 秋鯵、秋刀魚、おみおつけ……そんな晩御飯を考えよう。


 体調管理もしごとのうち。






 桜の秋は、とても早いこと。









コメント
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