なだらかに腕（かひな）絡めな潮騒の寄する彼方に人はうつくし

　海に。








　

　



　



　

風の澄む月草野末少女期のいとおしみ統（す）べて海は響くよ

　五月の海に。自然すべてに。きれいな光りが視界にあふれる五月の海岸は、いまごろきっとにぎやかでしょう。


　歌うと、こころがなごむので、またノートをひらく。つぶやき、ささやき。



　野原、みわたすかぎりの草風わたる平野は、わたしのこころのなかのもの。


　海へ思いをはせると、そんな光景が浮かぶ。


　アルカデイアかしら……いつまでも変わらない、洗われた心のすみか。