雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

弥生ほとり雛は流さむうるはしき紅唐ころも身のうらの熱

2008-03-03 13:02:58 | Weblog

 今日は雛の節句。

 平安時代以前、弥生上巳(じょうし)の日には、身の穢れをはらうものとして流し雛の信仰がありました。

 自分たちの穢れや災いを人形に移し、海や川に流し去らせる。

 そのゆきつくところは、他界。黄泉(よみ)の国、あるいは常世……

 仏教以前の日本の古代信仰では、光溢れる浄土と、陰惨な冥界が混在して未分化。両義的。

 その矛盾はおもしろくて、ふしぎでもある。曖昧さが自然の本質だからかな?

 

 ヒトガタに……物思いも、心煩いも、なにもかも乗せて「水に流す」

 今はもうすたれてしまったけれど、豪華な雛人形を飾るのとおなじくらい、情趣ある行事のように思える。

 でも、現代でそんなことをしたら、海や川の環境問題になってしまう。

 水にまつわる信仰はいろいろ不思議で心ひかれる。







 
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