「焼肉屋ですが、お宅は焼肉をよく食べますか?」。「あまり食べませんが」。
「若い人はいないんですか?」。「おりません!」。
「そうですか、失礼しました」。
玄関先で、妻がセールスマンと交わす会話が聞こえてきて、思わず笑ってしまった。「なんだいあれは」。「知らない。近くに焼肉屋がオープンするんじゃないの。いきなりお宅は焼肉を食べますかだもの。おまけに若い人はいないのかなんて、失礼しちゃうわ」。だから、食べません、いませんとつっけんどんに答えたらしい。
先日、私が応対に出た時にも、同じことがあった。
NTTのグループ会社の若い営業マンが、ひかり電話の勧誘に来た時のことだ。ADSLで不便を感じていないと答えると、「ADSLは加入電話ですし、光ケーブルはですね、、、」と、いきなり品質の説明をし出した。
内心、「(おいおい、俺はNTTに30年以上籍を置いていたんだぞ。君より詳しいよ)」と思いつつ、説明を聞いていた。一通り、口早に説明し終えると、「もし、その気になりましたら、ご連絡下さい」と、名刺を差し出したのにはあっけにとられてしまった。
今でこそ違う社名だが、私は前身の会社の社長だったのだと思うと、何とも複雑で情けなかった。彼の上司は、私の元部下だと分かったが、現職時代の人間関係を持ち込まない生活を送ると決めた身ゆえ、HP上で敢えて一言。