プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★地産地消と現実のギャップ

2006-02-15 10:06:18 | 日記・エッセイ・コラム

 娘夫婦が一泊二日の慌ただしい日程で来沢した。わざわざ、この寒い時期に来なくても良いのにとなだめたが、目的は旬の魚を食べることだった。早朝に羽田を発って、翌日の最終便で帰京するまでの二日間、魚づくしの食事になった。

 今の時期の魚は、油がのっていて甘味がありどれも美味い。北陸というと蟹や甘海老を真っ先に挙げる人が多いが、二人は見向きもしなかった。東京では買い求められない近海魚で美味しい魚があるからだ。ようやく、本物の魚の味が分かるようになったかと誉めてあげたい。その土地へ出掛けて旬の物を味わうのが一番贅沢なのだから。

 金沢市民の台所と呼ばれ、観光客で賑わう近江町市場へ行くと、同じ魚なのに、北海道や東北産より地元産の方が高いので娘夫婦は驚いていた。遠方から輸送するコストがかかるのに、不思議な現象だ。私は、成人するまで近江町の近くに住んでいたので、よけい違和感がある。

 流通機構が高度に発達し、地方の産物が首都圏や関西圏などの大消費地に集積すると、地方では需給バランスが崩れてしまい、高くて口に出来なくなってしまうのだ。「地産地消」というが、地方の食文化が崩壊しつつあるとさえ感じる。所得の格差が拡大しているというが、食文化にも影響を与えているのは紛れも無い事実だと思う。