千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

福島の

2012年11月29日 | 
福島の女たちの出会いをつなぐ

 
原発事故。
 
以前から電力会社は、夥しい広告を垂れ流してきたが、マスメディアは公平な報道ができるのか。
 
また事故から暫くして「絆」という合言葉が盛んに見られた。
 
米軍のトモダチ作戦にも違和感。
 
もどかしい気持ちでいたところに、福島の女たちが綴った個々の体験や気持ちの記録が、このたび出版された。
 
   *   *
 
見えないものに追われて避難を続けた直子さん。
 
障害を持つ絹江さんの日々。
 
解雇を受けた節子さん。
 
めちゃくちゃの部屋からパソコンを掘り出してネット情報に繋いだやよいさん。
 
九箇所の放浪生活をした恵子さん。
 
被害者同士が引き裂かれていくさまも報告する朗子さん。
 
障害を持つ人を見世物に恐怖を煽らないでと遊歩さん。
 
八十有余年の生活を振り返りつつ、官房長官のテレビ画面から棄民という言葉が頭に浮かんだ十三子さん。
 
除染ビジネスの内実、子どもを復興の象徴とすることへの憤りなどを生々しく伝える類子さん。
 
   *   *
 
たくさんの女たちの声がある。
 
現地報告の最後のタイトル「砂がこぼれるように風化させられている。でも、みんなが工夫して訴えることが随所で起きています」。
 
銘記しよう。
 
   *   *
 
編者の由香子さんの分析は示唆に富む。
 
原発に反対する集会やデモの報道は、子連れの母たちやツイッター等で集まる若者達が出現すると「新しい潮流」として紹介される。
 
母たちは称賛される一方、難しいことは苦手というレッテルを貼り付けられる。
 
   *   *
 
分断や対立ではなく、出会いと共感。
 
どうしたら良いのか。
 
さらに「障害や病気のある子どもがあらわれる」という言説に対して、どう捉えるか。
 
広島や長崎の被爆、水俣病などの歴史のなかで、障害者や女たちは何を訴えてきたのか。
 
堕胎罪、優生保護法、母子保健法など人口政策、リプロダクティブ・ライツと「まごまごする権利」。
 
しがらみ、なりゆき、あきらめの中での、一人ひとりの選択を大切にしたい。
 
   *   *
 
また編者の和子さんによる、米軍基地を包囲し、性別役割分業に抗した女たちの非暴力直接行動の広がりの報告。
 
英国グリーナムの女たちから福島の女たちへ続くアクション。
 
原発や核をなくそうとする女達の闘いは、原発を是とする男社会に向けられたものでもある。
 
コラム欄は、記者会見や現地取材に飛び回る漫才師おしどりマコさんなど、7件。
 
わかりやすい「おもな放射性物質と放射線一覧」も。
 
京子さんのイラストが魅力的。
 
福島原発事故と女たち 出会いをつなぐ』 近藤和子・大橋由香子編 大越京子イラスト 梨の木舎
 
------------目 次---------------------
はじめに
1章 2011年3月11日―福島から
 ・3・11、見えないものに追われて     一條 直子
 ・あらためて思う、「多様なこと」は豊潤なこと     鈴木 絹江
 ・3・11原発/解雇/放射能/そして……     黒田 節子
 ・5日目の朝がきた    人見やよい
 ・事故前と同じようには生きられない     会田 恵
 ・疲れているひまはない    地脇 美和
 ・新たな出会いをたぐり寄せ―福島から高知に避難して    芳賀 治恵
 ・娘一家は九州へ    橋本 あき
 ・原発事故の暗闇の中から    浅田眞理子
    人間だけが避難する身勝手を許してほしい
 ・子どもたちも孫も来ない、ご先祖さんに線香もあげられない故郷    鈴木 恵子
 ・これ以上、奪われない、分断されない    宇野 朗子
     福島を出たあの夜からの一年
 ・女たちのリレーハンスト   黒田 節子
 ・原発事故からの脱出    安積 遊歩
 ・原発被曝の県で    武藤十三子

 ・武藤類子さんに聞く
   砂がこぼれ落ちるように風化させられている。でも、みんなが工夫して訴えることが随所で起きています。

2章 出会いをつなげる
 ・しがらみ、なりゆき、あきらめの中での、 1人ひとりの選択を大切にしたい
   ―母性・フェミニズム・優生思想    大橋由香子
 ・グリーナムの女たちから福島の女たちへ    近藤 和子

あとがき

 コラム わすれられないコトバ
 1.私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です 武藤 類子
 2.受け手の私たちが変わらなければ何も変わらない おしどりマコ
 3.100マイクロシーベルト/hを超さなければ、
   まったく健康に影響を及ぼしません(!?) 山下 俊一
 4.病気になるまで思っていた「国が管理しているから大丈夫」と…  喜友名 正
 5.福島原発事故は、水俣病と似ている  アイリーン・美緒子・スミス
 6.測ることがすべての判断の基本になる  岡野 眞治
 7.福島原発事故以来1800以上の剣体を測りました  鈴木千津子 

 資料1  福島原発事故被害者の権利宣言
 資料2  「原発いらない福島の女たち」のリレーハンスト宣言
 資料3  「福島原発告訴団」告訴声明 2012年6月 被告訴・被告発人目録
 イラスト 主な放射性物質と放射線一覧
 
◆◆関連ページ(グリーナムコモン) 4年前のブログ記事資料から、リンク切れを削る
Greenham Common Women's Peace Camp
Nonviolence News: Greenham Common Womens' Peace Camp by Sarah Hipperson
BBC - Berkshire: Peace protest memories shared / Video: Greenham Common peace camp 25th anniversary (01:23)
BBC - UK: Greenham Common Women's Peace Camp, 1981-2000
IWM (Imperial War Museum) Online Exhibition - Greenham Common - The Women's Peace Camp
Guardian: Your Greenham, The Guardian: YourGreenham / Video: YourGreenham
Greenham-Common.org.uk
Greenham Common Women's Peace Camp - Wikipedia, the free encyclopedia
 RAF Greenham Common - Wikipedia, the free encyclopedia
◆レベッカ・ジョンソン
Trident Ploughshares - Evidence from Rebecca Johnson
もの書きを目指す人びとへ「第114回 ノーモア・ユーロシマ――西欧の"熱い秋"」: 「キャンプに参加しているイギリス人のレベッカ・ジョンソンさん(二十九歳)は意気盛んだった・・・その後も彼女の反核運動は続き、後年、英国労働党の国会議員になった。そして、核問題の専門家としてたびたび来日している。グリーナムコモンの平和キャンプが生んだスターと言っていいだろう」
レベッカ・ジョンソンさんの手紙(2006年1月18日「ファスレーン365」トライデント更新阻止闘争)
◆基地跡地の新グリーナム公園
New Greenham Park, Newbury, Berkshire: The Sustainable Business Park
GREENHAM COMMON TRUST(公園管理団体)
◆YouTube 動画
Christmas 1982 Greenham Common Women (02:33)
Going back to Greenham (06:01)
GAMA At Greenham Common April 2007 (03:52)
Greenham Common Visit by Mark Thomas 2002 (01:53)
Vehicle Parade at Greenham Common circa 1990 (01:49)
Britains Cold War Greenham Common Promo (05:19)
 
参考: 第1稿 救援連絡センター機関紙「救援」2面コラムの連載用に書いたが、字数超過のため削って上記に変更。
 
地震と津波、さらに原発事故。福島は未曾有の危機に襲われた。それは天災が原因と片付けられるものではなく、人災の部分も多いのではないか。まぜこぜになった大量の報道。政府の「ただちに健康に影響はありません」なんども流れてくる。その根拠も不明のままに宗教のように信じろというのか。

以前から電力会社は、たくさんの広告を垂れ流してきた。金主に対してマスメディアは、公平な報道ができるのだろうか。また、事故から暫くして「絆」という合言葉が盛んに見受けられる。米軍のトモダチ作戦にも違和感。多用される「日の丸」も、なんだか憂鬱になってくる一年半だった。

もどかしい気持ちを抱いていたところに、福島の女たちの個々の体験や気持ちを繋げた記録が、このたび出版された。

見えないものに追われて避難を続けた直子さん。障害を持つ絹江さんの日々。解雇を受けた節子さん。めちゃくちゃの部屋からパソコンを掘り出してネット情報に繋いだやよいさん。九箇所の放浪生活をした恵子さん。被害者同士が引き裂かれていくさまも報告する朗子さん。障害を持つ人を見世物に恐怖を煽らないでと遊歩さん。八十有余年の生活を振り返りつつ、官房長官のテレビ画面から棄民という言葉が頭に浮かんだ十三子さん。除染ビジネスの内実、子どもを復興の象徴とすることへの憤りなど現地の様子を生々しく伝える類子さん。

まだまだ、たくさんの女たちの声がある。現地報告の最後のタイトル「砂がこぼれるように風化させられている。でも、みんなが工夫して訴えることが随所で起きています」、かみしめる。

編者の由香子さんの分析は示唆に富んでいる。原発に反対する集会やデモの報道は、子連れの母たちやツイッター等で集まる若者達が出現すると「新しい潮流」として紹介される。母たちは称賛される一方、難しいことは苦手というレッテルを貼り付けるようすを、ていねいに辿っている。例えば「ただの普通の母親なんです」と言い訳しないと、危険な「活動家」と思われて、マスコミも近所の人も耳を貸してくれないから言わざるを得ない。昔からよく聞く、PTAの用事なら外出しても「主人」や義父母が嫌な顔をしないというのと似ているのかも。うーん、あるだろうなあ。母性の強要に抗して、あるいは交わして、みんながいろんな表現をする。模索していこうじゃないか。

分断や対立ではなく、出会いと共感。どうしたら良いのか。さらに「障害や病気のある子どもがあらわれる」という言説に対して、どう捉えるか。広島や長崎の被爆、水俣病などの歴史のなかで、障害者や女たちは何を訴えてきたのか。堕胎罪、優生保護法、母子保健法など人口政策、リプロダクティブ・ライツと「まごまごする権利」。しがらみ、なりゆき、あきらめの中での、一人ひとりの選択を大切にしたい。まさに、そう。そのために、知りたいのだ。

また編者の和子さんによる、米軍基地を包囲し、性別役割分業に抗した女たちの非暴力直接行動の広がりの報告。英国グリーナムの女たちから、福島の女たちへ続くアクション。原発や核をなくそうとする女達の闘いは、原発を是とする男社会に向けられたものでもある。それは原発がなくなる日まで続くんだ。

コラム欄は、記者会見や現地取材に飛び回る漫才師おしどりマコさんなど、7件。

わかりやすい「おもな放射性物質と放射線一覧」、京子さんのイラストが魅力的。 
Comment   この記事についてブログを書く
« ぼろぼろの | TOP | 品書きに »
最新の画像もっと見る

post a comment