桐島さん映画「逃走」 足立正生の狼煙を見よ
冤罪ファイル、春号は「和歌山三大冤罪事件」特集だ。白浜水難事故、紀州のドンファン、カレー事件。片岡健に拍手。夕刊紙の「日刊ゲンダイ」にも書いてるよん。
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東アジア反日武装戦線。狼、さそり、大地の牙。いやあ、暴走族かと思ったよ。事件のあった七四年て、わたし田舎の女子高校生だったんだもん。
で、それから半世紀。全国の交番に貼ってあった笑顔の写真。見るたびに嬉しく思うようになったのは、いつの頃からか。
ほぼ一年前に病院で名乗り、四日後に亡くなった桐島聡さん。
二十代の桐島くんは、杉田雷麟(らいる)。かみなりと、きりんの文字なの。本名なんだって。可愛いの。逃げるために長髪を切るときの真剣な顔。笑顔は禁止すると、つぶやく姿。履歴書に内田洋と書いたら、小学一年生みたいな字。へたっぴい文字なの。食べちゃいたいくらい可愛い。
後半の桐島さんは、古舘寛治。国際的に活躍してるバイプレーヤー。何作も見てたのに気付かなかった。ライブハウスでの「山谷ブルース」の弾き語り、お遍路したり、坐禅の修行をしたり、想像の世界を彷徨ったり。幻のメンバー再会場面に、うるうる。
Q運営委員でもある足立正生監督は、御年八五。
大昔の作品群、そして長期の海外出張三五年後には、国際革命軍Mの獄中を描いた「幽閉者 テロリスト」、わしも一瞬でたカフカ原作の「断食芸人」、宗教二世青年が安倍を暗殺する「REVOLUTION+一」、そして今回の本作。
ますます意気軒昂。逃走を闘争にしたのが桐島だって。
彼の明学時代の先輩の宇賀神寿一しゃこさんは、現在Q事務局員。好青年が演じてるよ。
あ、劇伴いつもの大友良英も素敵。
特集番組。NHKバイアス有り過ぎ、TBSまだましレベルだったので、本作にて激しく口直し。二回も観ちゃった。
★雑誌「冤罪File」春号 サクラミステリーデラックス四月号増刊 九九十円
★映画「逃走」パンフレット 青木理の「見よ 足立正生の狼煙を」が秀逸 発行・太秦株式会社 千円
★雑誌「シナリオ」四月号 脚本を収録 発行・シナリオ作家協会 千二百十円
左が、足立正生監督Q運営委員 右が、宇賀神寿一しゃこ(役)Q事務局員