ぼろぼろの建屋むざんなフクイチに 唯一はいった記者のルポなり
「福島原発の真実 最高幹部の独白」 今西憲之 朝日新聞出版
週刊朝日で昨年、断続的に掲載されてきたルポを纏めたもの。
フクイチの敷地内、建屋。どちらも唯一はいったジャーナリスト。
防毒マスク越しに撮影された写真は、ぼろぼろの原発を表わしている。
詳しくは本書に詳述されているが、とても10年後の燃料棒取り出しまで持たない。
事故直後、じゃまにしかならなかった管首相の視察。
海水注入をめぐる攻防。
ヘリコプター注水は危険なうえ、効果も期待できない。実は、米国へのアピール。
グーグル対策で、建屋カバー。
雑誌にルポが掲載されると、政府が東電に犯人捜しを命じたという。
著者は、「私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日」で刮目したジャーナリスト。