家宅捜索にあってから「ガサ子ちゃん倶楽部」を始めた。福島瑞穂弁護士に準抗告を申し立ててもらい最高裁に特別抗告をした却下の日に、2回めの捜索があった。その後に、わたしは今度きたら「令状」を破ってやると公言した。猛反撃のせいか、うちだけガサが来なくなった。
平井くんは深く静かに警察を拒否していた。
誰にも言ってなかったけど。こんなエピソードがある。自宅で一人で料理してたときに、フライパンに油が移って煙がでて近所から通報をされた。消防と警察が来たけど、ドアを開けない。火が消えた様子を見せるだけだった。結局、警察がハンマーでベランダのガラス窓を破って、土足で入ってきた。あたりまえだよ。わたしは職場から戻ってきて、呆然とした。延焼したら大変じゃないの。警察が火元を確認するのは職務なのに。ああ、そんなに警察が嫌なんだ。秋なので、壊れた窓から風が入ってきて暫く寒かったなあ。
生活保護を受けたときに、わたしとケースワーカーから散々いわれて歩行困難の原因を探るために整形外科に行った。レントゲンを拒否。処方をするというので何かと訊くと痛み止めだという。痛くもないのに痛み止め!?なので、当然に拒否。藪医者から「どうなっても知らないぞ」と恫喝されたって。
次に社会保険病院で足のMRI検査を受けた。反原発関係者によると、そのほうが放射能が強いんだって。理工学部出身のくせに、知らなかったんだ。またもや原因不明。
三度目に近所の楢原医院に行った。わたしの主治医のいるとこ。新人の医師が診察してくれたのだが、なんと新潟大学で安保徹教授の講義を受けたと知り、たいへんに感動してた。足を触って、筋肉が弱っていると。蛋白質を食べるようにして、足を動かすようにして、改善しなかったらまた来なさいと。その後、しだいに悪化してるのに4年位かな全く医者に行かなかった。(画像は、安保徹本)
1ケ月ほど前から、咳がでるようになった。病院に行こうといっても、いや。救急車を呼ぼうと言っても、いや。病院に拉致することも考えたけど、そしたら脱走しちゃうだろうなあ。歩けないのに。
そして金曜日の夜、わたしが家に帰ると眠るように亡くなっていた。息してない。もう死んでいるから、救急車は無駄。医者に行ってないから、警察が体を調べるだろう。でも、そんな拷問を受けさせたくない。一晩、静かに眠らせた。
夜中に何度も見に行ったが、息してない。ああ、わたし殺人犯の調べを受けるのかなあ。第一発見者が、あやしい。身内が殺すって多いじゃん。
朝になってから110番通報した。消防が6項目くらい死亡を、あれこれ調べる。その後は警察が平井くん部屋を締め切って、検査。えっ、これ鴨居の上の万年筆を捏造できるじゃないの。
わたしは隣室で、あれこれ聴取される。ともだちが駆けつけてくれたけど、身内じゃないという理由でアパートに入れず、ずっと待っててもらった。
警察も医者も拒否を貫いた平井くん。とっても怖かったけど、がんばって一晩しずかに眠らせてあげられて良かったと思う。