「飾らず、偽らず、欺かず 管野須賀子と伊藤野枝」 田中伸尚 岩波書店
ふたりとも17歳くらいで意に染まぬ結婚をし、必死に自由を求めて生きて二十代で国家権力に殺されたんだ。
出逢うことはなかったようだが、須賀子が大逆事件で殺されなければ、翌年の野枝の表現の舞台デビューと交錯した筈だね。
表紙に載ってる文。野枝の後藤新平宛の手紙が凄い。3メートルの巻紙で、啖呵を切ってる。
須賀子が最初の記者時代に醜業婦を差別的に書いたり(なんせ矯風会、その後に変化する)、野枝が仕事に行ってる母さんのぶんの御飯を腹減ってるから食べようとする我儘(その後に成長する)とか変遷を経ているさまが興味深い。
田中伸尚が、ていねいに歩いて書いている。感謝。