わたしより1年うえの1955年。国立二期校教育学部のあと公務員。転職志向があって小説講座に通うと。わたしは弁理士試験講座だったけど、なんだか境遇が似てるせいもあって、90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞したデビューからずっと注目していた。そして新しい作品分野のたびに、彼女の意欲に喝采していた。
97年『女たちのジハード』で直木賞は、たいへん嬉しかった。でも、いつからか宗教絡みは苦手になってきた。
そして彼女らしい農業とサラダ工場すさまじい 篠田節子の「ブラックボックス」から5年ぶりに詠む。
エンタテイメント長編小説の大作。なのに誰ひとりとして共感できるひとがいないという類まれな感覚で500頁を超えて読み進む。途中からは、なんだか意地で読んでしまった500頁超え。うーん、マザーテレサ苦手だからかなあ。今年に入って吉川英治文学賞を取った。
本ブログのために調べてたら20年以上も母親を一人で看護してきたとある。知らなかった偉いなあ。それをも作品のなかに昇華させてるんだ。チェロも聞いてみたくなった。