チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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上 司

2009年05月14日 | チエの玉手箱
 珍しい人から電話がありました。

 チエちゃんか?(実際には、私の苗字を呼んだ)
 俺、誰だかわかる?

 はい、もちろんです。Tさんですね。ご無沙汰いたしておりました。

 俺、この春、帰ってきたんだよ。久しぶりだなあ。
 ちょっと、教えて欲しいことがあるんだけどさあ・・・

 それは、7~8年前、私の直属の上司だった人からでした。
質問の内容は、ちょとした事務処理のやり方だったのですが、数多い部下の中で、彼が私を覚えてくれていたことがうれしかった。

 彼は、いわゆる”仕事のできる人”でした。
私は長い職業人としての生活の中で、彼の下で仕事をした時ほど充実していた事は他になかったように思います。できる人の下で働くというのは、こういうことかと実感できた期間でもありました。
 お互いに仕事の中身・立場を理解し、全てを話さなくてもツーカーで仕事を進めることができました。
それに、彼はものすごく決断の早い人でした。指示を仰ぐと、その場で的確に回答を与えてくれたし、即決できない時には、期限を決め、その回答はいつも期限前でした。
それから、私に任せる部分は任せてくれていたのです。

 出世コースまっしぐらの彼だったのですが、昇任してしばらく経った頃、突然、

 俺はもう、派閥とか、ヨイショとか、ドロドロした世界が嫌になった
 俺は海外に行く!

そう言って、サッサと渡航してしまったのです。

 海外勤務と言えば、聞こえはいいのですが、私たちの職場では出世コースから外れるということでした。
その彼が、戻ってきていたのです。

 俺さ、海外に行って人生観変わったよ。
 今度、機会があったら話して聞かせるよ。

 はい、楽しみにしています。