舟遊びのやうな恋こそしてみたし向き合ひて漕ぎどこへも着かず
晴れわたる卯月の空よわが一生(ひとよ)ひとを殺さぬまま終はれるか
どうでもよいことはきちんとやり遂げて海峡を渡る恋などもせず
ぶらんこを真すぐに止めて降りしのち二十年(はたとせ)は過ぐ恋もせぬまま
指に合ふ手袋はめしことのなき生かなしみぬ聖夜の街に
(栗木京子 夏のうしろ 短歌研究社)
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栗木京子の歌には、恋という言葉が何度も出てくる。しかし彼女は、賢い奥様で決して手を汚さない。もし何かあったとしても、あの上品な容姿で黙って押し通すのだ。だからこそ栗木京子なのだ。
胸元を開いてなせしあれこれはおぼろおぼろとなりてゆめ ゆめ
(近藤かすみ)
晴れわたる卯月の空よわが一生(ひとよ)ひとを殺さぬまま終はれるか
どうでもよいことはきちんとやり遂げて海峡を渡る恋などもせず
ぶらんこを真すぐに止めて降りしのち二十年(はたとせ)は過ぐ恋もせぬまま
指に合ふ手袋はめしことのなき生かなしみぬ聖夜の街に
(栗木京子 夏のうしろ 短歌研究社)
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栗木京子の歌には、恋という言葉が何度も出てくる。しかし彼女は、賢い奥様で決して手を汚さない。もし何かあったとしても、あの上品な容姿で黙って押し通すのだ。だからこそ栗木京子なのだ。
胸元を開いてなせしあれこれはおぼろおぼろとなりてゆめ ゆめ
(近藤かすみ)