気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

アイスティー

2006-02-02 20:56:34 | つれづれ
普段着で人を殺すなバスジャックせし少年のひらひらのシャツ

細き細きグラスに注ぐアイスティー人生の悲(ひ)のごとく澄みたり

アフガンの子らを救へと募金する日本に大人の自死ふえてゆく

崩れゆくビルの背後に秋晴れの青無地の空ひろがりてゐき

いま滴(た)るる、もうすぐ黒きもの落ちる 九月の夕日炎(も)えきはまりぬ

(栗木京子 夏のうしろ)

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平成12年のバスジャック事件、9・11テロ、見事に歌になって残っている。感覚が鋭くて、人の見えないものも見えてしまう資質。ほんとうにあの空は青無地だったと思い返す。

今日は、プールの続きに府立図書館に行ったもののカードを忘れてきた。それでも名前を聞いて、貸し出しをしてくださる。ありがたい。
京都市立図書館は、在庫の検索をしてネットで予約できる。便利なのだけれど、これで書店はやっていけるんだろうかとか、著者に然るべき対価は支払われるのだろうかとか、あれこれ心配になる。