気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2006-02-27 23:48:15 | 朝日歌壇
諭されて頷くように首を振り振りつつ歩む門前の鳩
(京都市 阪田準一)

水滴のひとつひとつが黄の色を宿して雨の蝋梅揺るる
(福山市 武 暁)

楽しみにしているからねあなたの句私が書くのは短歌なんです
(横浜市 富山いづみ)

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一首目。頷くように首を振るのは鳩であり、また門前を歩く従順な作者でもある。人間である作者には、首を横にも斜めにも振って欲しいと思う。
二首目。黄色の蝋梅の花の上に降る雨の滴が、蝋梅にうつり渾然一体となっているように見える美しい歌。蝋梅の花びらは少し透けていて繊細。雨との取り合わせが綺麗。
三首目。きっと会話の文が二つあるのだろう。短歌や俳句に興味のない人は、短歌を句と呼ぶことがある。ある消費者金融のテレビCMを見ていると「うたの会」という案内を見て、ギターを抱えて出かけると、和室で短冊に歌を書いていた・・・というのがあるがあれも、ちょっと違いますよね。会話が二つなら、一字あけにすればわかりやすかったかもしれない。

身のうちに首を埋めて目を閉じる鴿の群れに朝日はあたる
(近藤かすみ)