気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

チョコレート

2006-02-08 16:36:26 | おいしい歌
かすみ草にいたるやさしさ花束のできあがりゆくさまを見ており

優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球が来る

地ビールの泡(バブル)やさしき秋の夜のひゃくねんたったらだあれもいない

男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす

焼き肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き

(俵万智 会うまでの時間) 

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一首目、二首目、大好きな歌。以前ある友達が、優等生の歌をだいっきらいだと言ったが、私はよく言ってくれてありがとうと思う。
地ビールの歌は、泡をバブルと読ませ、下句をひらがなばかりにしていることに工夫がある。しかし、四首目五首目。読後こちらの気持ちの置き場に困ってしまう歌。

チョコレートが食べたい。綺麗な箱にいろんな種類のチョコが並んだなかから、ひとつずつ選んでゆっくり食べたい。珈琲を飲みながらチョコを食べたい。

義理チョコより友チョコだつてさこれからは女が女にやさしくする世
(近藤かすみ)