気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

あかるたへ 水原紫苑

2006-02-09 13:49:12 | つれづれ
恋すてふわが名は青葉がくれなる月の若駒今し奔れよ

夏至の日の眼鏡さやけし天体といづれと問ひしわたくしの影

コカ・コーラ古代紫とおもふとき哄笑は起きむ夜明けの空ゆ

シアトルのイチローの秋如何ならむ箴言のごときそのうつしみよ

透かし絵の紙のやりとりうつくしき銀行窓口けものらも来よ

(水原紫苑 あかるたへ 河出書房新社)

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独特の美意識で貫かれた水原紫苑の世界。
コカコーラと古代紫、銀行窓口とけもの・・・その取り合わせのセンスに感心した。