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ヨーロッパのジャズ・ドラマー(ダニエル・ユメール)

2019-10-13 | JAZZ
ピエール・ファヴレに続いて、同じスイス出身のダニエル・ユメールを、
モダンからフリーまでをこなすユメールが、1964年から1987年までの23年間に、30人の奏者と共演した全16曲が録音順に収録されている2枚組です。
「DANIEL HUMAIR SURROUNDED 1964-1987」 MUSIDISC  PAM970 
  

彼の名を初めて知ったのは、フィル・ウッズのヨーロピアン・リズムマシーンでの演奏でした。
このアルバムを購入した切っ掛けは、エリック・ドルフィーとのセッションが入っているからでしたが、聴いてみると中々のもので、デュオからカルテットまでの小編成の演奏が中心となっていて、いろんなタイプのミュージシャンとの共演による彼のドラミングの全てがここに収録されていました。
米国のミュージシャンは、エリック・ドルフィー、ジェリー・マリガン、フィル・ウッズ、ジョニー・グリフィンの4人のサックス奏者と、ケニー・ドリューの5人です。
最初に収録されているドルフィーとの2曲は、アルトとバスクラの演奏の引き立て役となり、後ろで淡々とリズムを刻んでいるだけですが、ここでのもう一つの注目点は、当時ヨーロッパに活動拠点を置いていたことから叶ったと思われるケニー・ドリューの共演です。(演奏は可もなく不可もなくと言ったところですが、珍しいことで価値があります)
また、マリガンは十八番の「WALKIN′ SHOES」で、ウッズは「NITE AT ST NICKS」において、まるでリズム・マシーンを再現するかのようで、曲の後半ではフリー・リズムやストップ・モーションも取り入れながらスピード感あるプレイを披露しています。
そしてグリフィンはと言うと、「Wee」において豪快な音をまき散らしながら超高速で突っ走りますが、これに対するユメールは、しっかりしたタイムでプッシュしています。
元に戻って、3曲目の「RHYTHM A′ NING」におけるロジェ・ゲラン(tp)と、ピエール・ミシェロ(b)とのトリオ演奏では、ブラシを効果的に使っているし、4曲目の「AU PRIVAVE」では、ルネ・トーマス(g)のいつもとは違うハードなプレイに続いて、後半ではユメールのロング・ソロを聴くことが出来ます。
B面の「PRESSING A DEUX」では、ミシェル・ポルタル(bcl, acd)のフリーな演奏に対し、ユメールはパーカションを駆使しています。

2枚目は1981~87年のヨーロッパの新しいジャズが色々収録されていて、数曲においてはより自由な展開が図られていて、ユメールのドラミングも興味深いです。
C面最初の「BRAM VAN VELDE」は、オールスター並みのメンバーによるもので、最初の集団即興に続いてヘンリ・テキシェによるベース・ソロと、それに続くユメールのソロは、最初の即興演奏に合わせたダイナミックなプレイとなっています。
ピアノ・レス・トリオによる「CRAC」は、J.F.ジェニー・クラークが、続く「I′ VE GOT RHYTHM BUT NO MELODY」は、マイク・リッチモンドの共にベース・ソロが前面に出る部分があり、ユメールのドラムスは抑え気味となっています。
また、「POSEZ BAGUETTES」は、前回掲載したピエール・ファヴレも参加しているドラマー3人による2分36秒の即興演奏で、曲の終わりの拍手がその出来映えを示しています。(私の耳では3人の判別は出来ません)
D面最初の「CRAZY RHYTHM」は、マーシャル・ソラール(p)とのデュオで、ソラールの激しい1面も紹介されているし、ヨアヒム・キューンとのセッション「CESAR」では、何時もの耳慣れたキューンのピアノにガチンコで対抗するユメールのドラミングが見事です。
最終曲は、タムタムも織り交ぜた自身のドラム・ソロで締めくくられていますが、全体的にライブ録音を中心とした好ましい演奏集です。


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