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「バードランドの子守歌」を歌う2人の女性歌手と作曲者の演奏

2023-08-13 | JAZZ
ジョージ・シアリングが1952年に作曲した「バードランドの子守歌」、
過日、掲載したオリジナル・ビック・フォアのアルバムの最初にも入っていましたが、この曲は彼が出演していたブロードウェイの有名なクラブのラジオ・テーマ曲で、これまでに多くの歌手が歌ってきており、ここではレコードの共にA面1曲目に収録されている2人の女性歌手のアルバムを取り上げてみました。

1枚目は、クリス・コナーで、1953年12月の録音から、
「SINGS LULLABYS OF BIRDLAND」 BETHLEHEM BCP 6004
  

このアルバムは、彼女のベツレヘム3部作品の中の1枚ですが、エリス・ラーキンスのピアノを中心に、ギター、ベースを入れたドラムレス・トリオをバックに、ゆったりしたテンポで魅了的な歌声を披露しています。
このレコーディング時は若干26歳ですが、ベテランの歌手のようにしなやかで、しかもロマンティックで温かみがあり、この雰囲気は同様なテンポで「WHAT IS THERE TO SAY」「TRY A LITTLE TENDERNESS」「SPRINNG IS HEAR」へと続いて行きます。
このアルバムには14曲が収録されていて、ドラムレス・トリオの他、カルテットとオーケストラの伴奏のものが収録されていますが、いずれも甲乙つけがたい出来です。

2枚目はサラ・ヴォーンで、こちらは上述のクリス・コナーから1年後の1954年12月に録音されています。
「SARAH VAUGHAN」 EMARCY MG 36004
  

この録音当時、サラのレギュラー・トリオであったジミー・ジョーンズ(P)、ジョー・ベンジャミン(b)、ロイ・ヘインズ (ds) に加え、クリフォード・ブラウン以下3人が加わったセクステットによる豪華な伴奏陣を従えて、彼女が30歳の時の録音です。
クリス・コナーの歌より少し早めのミディアム・テンポで、ヴィブラートを利かした特徴のある声が素晴らしく、中間部では、ロイ・ヘインズのブラシによるドラム・ソロに続いて、クリフォード・ブラウンと交互に交わすスキャットも魅力的です。


また、この曲をジョージ・シアリングが演奏しているCD(2枚)も久しぶりに取り出してみました。
1枚目は、2000年12月に録音されたジョージの所縁の場所であるバードランドでのライブ盤で、1曲目の「FLY ME TO THE MOON」からテーマ部分でピアノ、ギター、ヴァイブのユニゾンによるシアリング・サウンドが全開となっています。
また、軽快なテンポで演奏されるクリフォード・ブラウンの「JOY SPRING」や、バップ・ナンバーの「DONNA LEE」、それにリー・コニッツの「SUBCONSCIOUS LEE」などの意欲的な曲も取り入れながら、ライブの後半で「LULLABY OF BIRDLAND」が披露されています。
この曲は、アナウンスの後、リズムによる8小節に続き「SATIN DOLL」のメロディが飛び出して聴衆を笑わせた後、やり直しとなっていて、いかにもライブである楽しい演奏となっています。
「BACK TO BIRDLAND」 TELARC CD-83524


2枚目は、ニュー・クインテットと題される1994年2月のスタジオ録音で、スタンダードを中心とした選曲となっていて、ダサいジャケットに反比例してシアリング・サウンド満載の充実した演奏集となっています。
中でも、ホレス・シルバーの2曲(STROLLIN´、PEACE)が印象的であり、最後に収録されている「LULLABY OF BIRDLAND」もまた魅力的な輝きを放っています。
「THE NEW GEORGE SHEARING QUINTET」TELARC CD-83347
 

この2つのバードランドを比較してみると、こちらのスタジオ録音の方が、各人のソロも充実していています。
暑い夏にクーラーの効いた部屋で聞く、ピアノ、ギター、ヴィブラフォンによるクールなサウンドも良いです。

コメント
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