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FMPのエルンスト・ルードウィヒ・ペトロウスキー(2 / 2)

2017-07-15 | JAZZ
エルンスト・ルードウィヒ・ぺトロウスキーの続く2枚は、いずれもトランぺッターのへインツ・ベッカーが共演しており、その存在も大きいアルバムです。
「SELB VIERT」 FMP 0760
  
1. SELB-DRITT
2. NICHT GEWOLLT
3. VIER MINUS
2a BLUES CONNOTATION
b TOURNEESKIZZEN
3a DAS DING
b TALAR
ERNST-LUDWIG PETROWSKY(reeds) HEINZ BECKER(tp, flh)
KLAUS KOCH(b) GUNTER SOMMER(ds)
録音 1979年11月1,2,4日
こちらはトータル・ミュージック・ミーティングからのライブ盤で、相棒がトランぺッターであることも上手くマッチングしています。
ペトロウスキーは前2作より技術的にも成長し、一部ではエヴァン・パーカーにも似たテクニックを駆使しています。
1曲目の「SELB-DRITT」は静と動の対比が面白く、2曲目の「NICHT GEWOLLT」ではクラリネットの低音部を使ったアドリブが強烈で、それに小道具で応えるソマーのプレイが堪能できます。
レコードでいうB面に移って、4人のプレイは益々凄みを増し、2aで演奏されるオーネット・コールマン作曲のブルースでピークを迎えています。

「SELB DRITT」 FMP 0890
  
1. ENFANT
2. TALAR
3. TIPSIN
4. DER BUMERANG
5. DER LANGE ZUG
ERNST-LUDWIG PETROWSKY(as, bs) HEINZ BECKER(tp, flh) KLAUS KOCH(b) 
録音 1980年12月11-13日
こちらはベルリンでのライブ盤とクレジットされているものの、聴衆がいる気配は感じられません。
しかし、非常にシンプルな組み合わせのトリオで、いずれもテーマ部分を除くとベースとのデュオ部分が多く、個々人のソロをしっかり聴くことができます。
2曲目の「TALAR」は珍しくバラードで、ぺトロウスキーはアルト・サックスのタンギングを使ったトレモロ技法も披露しています。
3曲目の「TIPSIN」では、相棒のベッカーがフリー・ジャズでは珍しく、フリューゲル・ホーンでソロを取っていて、これも一聴の価値があります。
そのバックではサックスとベースがうねりを伴った一定のパターンの繰り返しで支え、後半はサックスのソロに引き継いでいます。
4曲目の「DER BUMERANG」は、ペトロウスキーがアルト・サックスでベースを相手に極みの演奏を聴かせてくれるし、5曲目の「DER LANGE ZUG」では息もつかさぬスピードでバリトン・サックスを駆使し、ベッカーがミュート・トランペット(後半はオープン)でそれに応えるという聴きどころもあります。

この2枚に共通しているのは、オーネット・コールマンの曲がそれぞれ1曲ずつ入っていて、ドン・チェリーとコールマンの演奏を更に発展させたような展開が繰り広げられているところが興味深く、ペトロウスキーを堪能するならこの2枚がお勧めです。

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