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あの頃のダイアン・リーヴス

2016-06-25 | JAZZ
1986年にブルーノート・レコードと契約し、その実力が認められ、瞬く間に注目される歌手の仲間入りを果たしたダイアン・リーヴス、
1987年8月に山中湖畔で行われた第2回Mt.フジ・ジャズ・フェスティバルに出演し、この時も彼女の歌唱力に驚きましたが、このレコード・ジャケットを眺めるたびに、その時を思い出します。
このレコードは、当時の有望な若手達が伴奏を務め、色々な組み合わせとアレンジも聴きどころとなっています。

「THE NEARNESS OF YOU」 BLUE NOTE RJ28-5020
  
1. SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
2. LIKE A LOVER
3. HTHEOW HIGH THE MOON
4. FOR ALL WE KNOW
5. THE NEARNESS OF YOU ~ MISTY
6. YOU TAUGHT MY HEART TO SING
7. ANCIENT SOURCE
8. SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST
9. ON WHAT A FREEDOM
DIANNE REEVES(vo) MULGREW MILLER(p) DONALD BROWN(p) 
CHARNETT MOFFETT(b) MARVIN SMITTY SMITH(ds) 
TERRI LYNE CARRINGTON(ds) RON POWELL(perc)
BOBBY HUTCHERSON(vib) GREG OSBY(as) KEVIN EUBANKS(g) 
録音 1988年4月 ~ 5月

ベースのイントロに導かれ非常に丁寧な歌いだしから始まる「朝日のごとくさわやかに」は、彼女のボイス・コントロールが見事で、中間部でソロを取るボビー・八チャーソン(vib)は、まるで自身のリーダー・アルバムの如く激しい演奏を展開しています。
2曲目の「ライク・ア・ラバー」は、ケビン・ユーバンクス(g)とのデュオで、しっとりと、
「ハイ・ハウ・ザ・ムーン」では、スキャットでもエラやサラにも負けない上手さを発揮し、
次の8分を超える「フォー・オール・ウィ・ノー」では、小編成のバックを従えて、これまた抑制の効いた歌を発揮しています。

レコード裏面に移り「ニアネス・オブ・ユー ~ ミスティ」へ、
1曲目と同じくランニング・ベースに乗っての歌いだしから、中間部のピアノ伴奏を経て何気なくミスティへと繋ぎ、再びニアネス・オブ・ユーへ、まるで一つの曲のようでもあります。
次の「心が歌う歌」は、マッコイ・タイナーが作曲し、1985年の自身のアルバム「IT´S ABOUT TIME」で初披露したバラードで、ジャッキー・マクリーンの演奏も素晴らしですが、ダイアンはサミー・カーンの詞を付けたものをしっとりと歌っています。


次の「アンシェント・ソース」は、他の曲より一層オンマイクで録音されていて、ラテンタッチの曲を語り掛けるようにソフトに歌い、
終曲の「スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」も、マグリュー・ミラーとのデュオで正確な音程で歌い切っています。

アルバムのプロデューサーは、後年のブルーノートを支えてきた一人のマイケル・カスクーナ、
レコーディング・エンジニアは、ルディ・ヴァン・ゲルダー、
そしてジャケットの撮影は、写真家の小出正則が担当しています。

スタンダードでスローな曲を中心に、大先輩たちが取り上げてきた歌も自身のものとして消化していて、さすがの1枚だと思います。
このアルバムにはボーナス・トラックで、1988年4月から放映されたペプシのカン・コーヒー「フリーダム」のTVCF曲が追加されています。

先日、CS326で、2003年11月にパリで行われたライブの放映がありました。
ベテランの域に入ったダイアンの、フェイクする歌とスキャットは、相変わらずでした。
 

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