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カーリン・クローグの2枚+1

2014-07-19 | JAZZ
ノルウェーの名ジャズ歌手と、サックス奏者の共演盤を取り上げてみました。

カーリン・クローグ(KARIN KROG) 1937年5月15日 - ノルウェー・オスロ出身

音楽一家に生まれた彼女は、60年代の初めからオスロやストックホルムで歌うようになり、64年にはフランス・アンティーブ・ジャズ祭に出演し脚光を浴びます。
67年にはドン・エリスに認められて渡米、彼のオーケストラと共演したこともあり、69年にはダウン・ビート誌の評論家投票で、新人女性ヴォーカリストの1位に選ばれています。
翌70年8月には、大阪万博にヨーロッパ・ジャズ・オールスターズの一員として、また88年1月には、ケニー・ドリュー・トリオと共に来日しています。

彼女は非常にモダンなフィーリングを持った歌手で、特に70年年代後半以降、彼女の歌う「唄」は「器楽的」な表現力も伴って、従来のジャズ・ヴォーカルとは異なったアプローチに特徴があり、それが魅力となっています。

ここで取り上げた2枚は、共に著名なサックス奏者との共演盤で、歌と演奏の両方が楽しめるアルバムです。

「BLUES AND BALLADS / WITH KARIN KROG & DEXTER GORDON」 SONET SLPS 1407
  
1. SOME OTHE SPRING
2. BLUE MONK
3. HOW INSENSITIVE
4. BLUES EYES
5. JELLY JELLY
6. TRIBUTE TO JIMMY SCOTT
a. I WISH I KNEW
b. EVERYBODY’S SOMEBODY’S FOOL
7. SHINY STOCKINGS
KARIN KROG(vo) DEXTER GORDON(ts,vo) KENNY DREW(p,org)
NIELS HENNING ORSTED PEDERSEN(b) ESPEN RUD(ds) 録音 1970年5月10日

大阪万博への来日直前の録音ですが、当時の万博会場で見せたモダンなフィーリングが、このアルバムでも発揮されています。
またデクスター・ゴードンは、マイ・ペースの演奏をしており、5曲目の「ジェリー・ジェリー」では、自慢のヴォーカルも披露しています。
このアルバムのハイライトは、彼女が尊敬する黒人シンガーのジミー・スコットに捧げた2曲で、スロー・バラードでの快唱に、デクスターのソウルフルなソロが絡んでいます。

「HI - FLY / KARIN KROG ARCHIE SHEPP」 COMPENDIUM RECORDS FIDARDO 2
    
1. SING ME SOFTLY OF THE BLUES
2. STEAM
3. DAYDREAM
4. SOLITUDE
5. HI - FLY
6. SOUL EYES
KARIN KROG(vo) ARCHIE SHEPP(ts) CHARLES GREENLEE(tb) JON BALKE(p) 
ARILD ANDERSEN(b) BEAVER HARRIS(ds) 録音 1976年6月23日

デクスターとの共演から、およそ6年が経過していますが、サックス奏者が入れ替わっただけで、アルバム自体が大きく変わっています。
2曲目の「スティーム」はシェップのオリジナルですし、エリントン・ナンバーも2曲含まれていることから、選曲に当たってはシェップの意向がかなり入っているものと思われます。
1曲目の「ブルースをそっと歌って」は、カーラ・ブレイのオリジナルですが、このアルバム全体の雰囲気を醸し出す演奏となっていて、シェップのサックスは「人の声」に、カーリンの声は「楽器」の様に聴こえます。
5曲目の「ハイ・フライ」は、およそ14分の演奏で、シエップと、トロンボーンのチャールスも多くのソロ・スペースを与えられていて、歌より演奏を楽しむナンバーのようです。


更に「+1」として、彼女の第二作目のアルバムから(国内発売のCD)
「JAZZ MOMENTS」(MUZAK. INK MZCF - 1020)
  

このアルバムは1966年11月11日にオスロのスタジオで録音されています。
彼女29歳、初期のレコーディングとあって、未だ歌詞を忠実に歌っていて、オーソドックスなジャズ・ヴォーカル・アルバムです。
このアルバムの選曲は彼女自身が行っていて、当時クラブなどで良く歌っていたレパートリーからのものだそうで、リズミックな曲とバラードを上手く歌い分けています。
また、ピアニストのケニー・ドリューは何時になくモダンなフレーズを弾いていますし、数曲で参加している初期のアーチー・シェップの様なヤン・ガルバレク(ts)の演奏が聴けるのも貴重です。

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