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デニー・ザイトリンとチャーリー・ヘイデン

2014-07-25 | JAZZ
デニー・ザイトリンと、チャーリー・ヘイデンの共演盤を2枚取り上げてみました。

デニー・ザイトリン(1938年8月10日 - )は、1964年から67年にかけて米コロンビアへ4枚のアルバムをレコーディングしていて、一時はポスト・ビル・エバンスの代表的ピアニストと評価される時期がありました。
自身は精神科医という本職があり、その後は散発的なものとなっています。
70年代にはマイナー・レーベルでの3枚の記録がありますが、中にはエレピを使い本流のジャズとはかけ離れた内容のものとなっていました。
80年代に入り、ECMや、パロ・アルトに、また97年には日本のヴィーナス・レコードに素晴らしい作品を残しています。

一方のチャーリー・ヘイデン(1937年8月6日 - 2014年7月11日)は、最も個性的な「声」を持ったベーシストで、独特なスタイルを持っており、オーソドックスな4ビートからフリー・ジャズ、フュージョンまで幅広く活躍しましたが、惜しくも2週間前に76歳で亡くなっています。

そんな訳で、デニー・ザイトリンのリーダー・アルバムですが、チャーリー・ヘイデンを偲んで、2人の共演盤を取り上げてみました。
偶然にも、共にサンフランシスコ近隣でのライブです。

最初は米コロンビアからの3枚目のアルバムです。
「SHINING HOUR / LIVE AT THE TRIDENT」 COLUMBIA CS 9263
   
1. INTRODUCTION ~ ST. THOMAS
2. CAROLE’S WALTZ
3. SPUR OF THE MOMENT
4. WHERE DOES IT LEAD
5. LONELY WOMAN
6. MY SHINING HOUR
7. QUIET NOW
8. AT SIXES AND SEVENS
9. WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
DENNY ZEITLIN(p) CHARLIE HADEN(b) JERRY GRANELLI(ds)
録音 1965年3月22,23日 サンフランシスコの対岸、サウサリートのクラブ

デニー・ザイトリンは、ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大学を卒業後、カリフォルニア州立大学精神科の研究所でインターンをしていた時に、休暇を利用して演奏した模様を録音したのがこのアルバムです。
ここでのザイトリンのピアノ演奏は、ハーモニー面において、ビル・エバンスからの影響が感じられますが、タッチはエッジが利いていて、一層幅広い音楽性を持っているように思えます。
またソニー・ロリンズや、オーネット・コールマンの曲を彼の音楽として取り込み、強烈なスイング感を表現しています。
(彼はプロではないですよね)
相方のチャーリー・ヘイデンは、このアルバムの前作である「カーニバル」が初共演ですが、2人は息の合った所を見せており、フレキシブルでパワフルなベース・ワークも見事です。
ヘイデンは3年後にキース・ジャレットとシェリーズマン・ホールでのライブ(アルバム:サムホエア・ビフォー)を残していますが、その路線上にある太いしっかりした音を聴くことが出来ます。
この時、2人は共20代ですが、はつらつとした演奏は聴いていて気持ちが良いです。

「TIME REMEMBERS ONE TIME ONCE」 ECM 1239
   
1. CHAIRMAN MAN
2. BIRD FOOD
3. AS LONG AS THERE’S MUSIC
4. TIME REMEMBERS ONE TIME ONCE
5. LOVE FORE SALE
6. ELLEN DAVID
7. SATELITE
8. HOW HIGH THE MOON
9. THE DOLPHIN
DENNY ZEITLIN(p) CHARLIE HADEN(b)
録音 1981年7月 サンフランシスコ・キーストンコーナー

ザイトリンがベースとデュオを演るのは珍しいですが、ヘイデンは、オーネット・コールマン、ハンプトン・ホース、キースジャレット、パット・メセニーを初め、数多くのデュオ演奏を残しています。
このアルバムも相性の良い2人が組んだもので、お互いの音楽性を尊重しながら素晴らしい創造性を発揮しています。
取り上げているのは2人のオリジナルの他、スタンダードやオーネット・コールマンの曲ですが、いずれも充実した演奏となっていて、特に1曲目の「チャーマン・マオ」や、6曲目の「エレン・デビッド」は感動的です。
前作同様ライブ演奏ですが、演奏中の物音は全く聞こえず、まるでスタジオ録音のようです。

ECMレーベルと言うこともあり、最初のアルバムと比べると、洗練され、ちょっぴリヨーロパ的で、クリアな音録りになっています。

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