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ベニー・グッドマンのソビエト連邦楽旅

2013-08-16 | JAZZ
ベニー・グッドマンはソ連政府の招待を受け、1962年5月30日から7月8日にかけてソ連の6都市を巡演し、大成功を収めたとされています。(LPの裏解説より)
この楽旅は、最後の週にモスクワで行ったサヨナラコンサートが2枚のレコードに記録され、当時日本でもビクターから発売されました。
私は高校生の頃、兄が買ってきたレコードを聴かせてもらったきりで、その後は記憶から消えていましたが、2年程前にこのレコードを手に入れたので、懐かしくなり取り上げてみました。
当時中古店には、上巻、下巻の2枚がありましたが、下巻は状態が良くなかったので、上巻だけを購入しました。

「BENNY GOODMAN IN MOSCOW」 VOLUME 1  SHP - 5138
    
1. LET’S DANCE
2. MISSION TO MOSCOW
3. MEET THE BAND
4. I GAT IT BAD AND THAT AIN’T GOOD
5. WHY YOU
6. TITTER PIPES
7. QUINTET MEDLEY : AVALON, BODY AND SOUL, ROSE ROOM,
              THE WORLD IS WAITING FOR THE SUNRISE
8. BEI MIR BIST DU SCHOEN
9. STEALIN’ APPLES

このレコードに記録されている拍手の大きさから、観衆の熱狂さが伝わってきます。
当時のソ連で、この手の音楽は聴きたくとも中々聴けなかった時代背景もあったものと思われます。
演奏会が開催された経緯と、参加したメンバーについては、裏面解説に書かれているのでそちらをご覧ください。
(写真では文字が霞んで見にくいので、別途掲載しました)

なお帰国後の7月12日には、ベニー・グッドマンを除いたピックアップ・メンバーを中心に別レーベルに録音がされていて、それが下記のアルバムです。
こちらはズート・シムスのレコード収集をしている中で、偶然に関連を見つけました。
「JAZZ MISSION TO MOSCOW」 COLPIX CP 433
    
1. MISSION TO MOSCOW
2. THE SOCHI BOATMAN  (ヴォルガの舟歌)
3. MIDNIGHT IN MOSCOW (モスクワの夜は更けて)
4. LET’S DANCE
5. RUSSIAN LULLABY
6. RED, WHITE AND BLUE EYE
ZOOT SIMS(ts) PHIL WOODS(as,Cl) JERRY DODGION(as,fl) GENE ALLEN(bs)
JIMMY MAXWELL(tp) MARKIE MARKOWITZ(tp) WILLIE DENNIS(tb) EDDIE COSTA(p)
BILL CROW(b) MEL LEWIS(ds)   録音 1962年7月12日  NY WEBSTER HALL

上記メンバーの中で、ソ連の楽旅に参加しなかったのは、マーキー・マコウイック(tp)と、エデイ・コスタ(p)の2人だけです。
2曲目の原題のソチ(SOCHI)は、2014年の第22回冬季オリンピックが開催予定となっている場所です。
(ヴォルガの舟歌が、ソチ・ボートマンであるということを初めて知りました)
3曲目の「モスクワの夜は更けて」はクラリネットが良く似合う曲で、当時日本でも盛んに演奏されましたが、ここではフィル・ウッズの絶妙なクラリネット演奏を聴くことができます。

このアルバムのサブタイトルは「JAZZ ARTISTS ON THEIR RETURN FROM TOUR SOVIET UNION 1962」となっていますが、この時代は、米国とソ連がまだ緊張関係にあった時で、7月25日にモスクワでは当時のフルシチョフ首相から「キューバに核ミサイルを配備する」という提案がなされ、29日にはソ連の代表団が「キューバ灌漑施設に関する農業視察団」としてキューバに行き、カストロ首相との会談が始まっています。
このようなタイミングの中に於いて、両国で録音がなされていたことを考えると「政治と芸術は別」で良かったと思います。

コメント
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