掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

龍勢 秋の蔵出し

2009-08-19 20:24:43 | 日本酒
いつの間にか8月も半ばを過ぎ、9月まで後僅かです。
今年の夏は長雨・ゲリラ豪雨・日照不足・低温などと異常気象で、酒米の出来も気になる今日この頃ですが、とても心配です
しかし酒米は収穫が遅いので、早稲の飯米などと比べると少しは影響が小さいのではないかと希望的観測をしておりますが・・・地域格差はあるでしょうが、やはり気候の影響は必至でしょうか・・・・。
そんな懸念も有りますが、この度ご紹介するのは、とても酒米の出来の良かった昨年秋収穫された「八反錦」を使って、今年春に仕込まれた秋季限定の「藤井酒造」お酒の紹介です。

商品名は「龍勢・秋の蔵出し 特詰め吟造り純米」です。

「秋の蔵出し」などと聞くと、来月辺りから各蔵元から続々と出荷される「ひやおろし」の商品と思われる方が多々おられる事でしょうが、それとは異なる商品で、同社から出荷される「ひやおろし」は、やはり9月以降出荷されます。

「ひやおろし」のお酒とは、今年春に醸されたお酒を火当て(熱殺菌)し、それをタンクに貯蔵します。その後若い時に際立っていた苦味・渋味が落ち着き、適度な熟成の掛かった9月初めに、二度目の火当てをする事無く(通常のお酒は出荷前にもう一度火当てして、合計2回の火当てです)一度火当てのまま出荷されます。
この方法は、お酒を火当てし貯蔵して次の火当てを行わず、そのまま瓶詰めする所から「生詰め」とも呼ばれます。

それに対して本商品は、今年春醸されたお酒を火当てする事無く、生酒のまま低温でタンク貯蔵され、その後同じく程よく熟成が掛かり多少の丸味や旨味が出始め、出荷される前に火当て(熱殺菌)され出荷されます。
この方法は、生酒のままでタンク貯蔵して出荷前に火当てする所から「生貯蔵」(別名:「なまちょ」などと言われます)と呼ばれます。

今回ご紹介の商品は後者の「生貯蔵タイプ」です。
どちらも一度火当てですが火当ての次期によって個性が異なりますが、これは酒質や火当て方法によって大きく変わってきますので、一概に「生詰め」はこうで「生貯蔵」だからこう・・・とははっきりと申し上げられません。(我ながら上手に逃げたモンです・・・・笑)
ただ、この商品に関しては、程よい熟成感も有りますが、反面まだ青っぽい若さも感じます。アタックは生酒を思わせるような柔らかな口当たりで、次第に軽い苦・渋を感じます。色調はまだ緑を含んだ薄山吹色。
味わいは小味のきいたキリットした鋭角的なな味わいと、若さから来る辛味を感じます。お燗65℃位では、柔らかさよりキレと力強さを感じ、温度が下がるごとに、ふくよかで丸味ある味わいが顔を出し、苦・渋も穏やかに成った印象です。原料米:八反錦 精米歩合:60% 日本酒度:+1.0
酸度:1.8 アルコール度:16.4 使用酵母:協会6号

1,800ml=税込価格2,730円
720ml=税込価格1,365円



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