掛井酒店

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竹鶴酒造蔵見学

2015-01-14 14:49:44 | インポート
「マッサン」で大ブレーク(?)中の竹原市の「竹鶴酒造」さん。1月11日(日曜日)、その竹鶴酒造さんで「もと摺」見学ができるということで、見学に行ってきました。温暖な竹原市にも霜がうっすらと降りた寒い朝、竹鶴酒造さんまで車を走らせました。玄関先では竹鶴の会長自ら出迎えてくださり、蔵に入るともうすでに洗米、その他の作業で石川杜氏をはじめ蔵人の方々が忙しく動き回っておられました。「酒は寒造り」と言いますが、この寒さの中、冷たい水を使っての作業、反対に麹室は35度の高温、と常人の私にとっては困難な仕事。その中でひたすら酒造りに精魂を傾けておられる蔵の方々が神々しく思えました。
                         
洗米された酒米     
                     
 洗米作業        
                                    
 麹室での蒸米

酸味一体となる(?)蒸米
よよっ、これは宿根雄町をすでに絞っておられるのか、などどタンクに気をとられているとすでに10時。この日第一回のもと摺の時間がやってきました。この日は折しもRCCの取材があり、取材に来られたスタッフの方々と一緒に二階の「酛場」で「酛摺」の見学をさせていただきました。「マッサン」での「酒造り歌」の披露を期に、安芸地方に古くから伝わるこの歌をもと摺に復活させた石川杜氏。杜氏の弁によるとこの歌はやはり「もと摺」の動作、テンポにぴったりと合っており、単純な摺の作業に活力を与えるとのこと。もはや忘れ去られたかに思えたこの歌をよくぞ造りに復活させられた、と感銘を受けました。余談ながら当店の先代はこの歌を(バージョン違いで)得意としており、結婚式などによく歌っておりました。
            
       酒造り歌のテンポにあわせもと摺をする           

摺終えたもとを均す石川杜氏
                                        暖気を抜く石川杜氏 

発酵中の醪 

RCCの取材に応じた石川杜氏。印象に残ったのは「酒づくりは文化の継承」「江戸時代に確立した生酛という造りは現代においてもこれを凌駕する造りはなく、この造りを守り続けることこそが大切」との哲学。几帳面な人柄がそのまま蔵の隅々まで表れる「整理整頓」ぶり、酵母によってタオルを分別し、洗い、清潔に心砕かれたしつらい、その全てが「天のない酒づくり」一点に凝縮された杜氏と蔵の人々の心意気となり、竹鶴の一滴となるのだと確信しました。
「マッサン」の一時的なブームではなく、竹鶴の造りを真に理解し、竹鶴の力強い完全発酵の酒に酔いしれて下さる方が「縁」を結んでいってくだされば、と願った一日でした。  


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