まわりで起こっていること

since2004.12「糠漬け初心者」

風が収まったと思ったら春の嵐だったな。

2020年03月21日 | Weblog

昨日、治った、とまるで風邪が治った、みたいな漢字使っちゃったけど。

その後また吹き始め、春の嵐だった。

春の嵐で浮かんできたのが、吹かぬものかは、ってフレーズで。

ググってみたら、親鸞さんだった。

 明日ありと思う心のあだ桜

  夜半に風の吹かぬものかは

と、なんとも意味深長な歌だ。

心のあだ桜、ってね。

あだ、って、桜まがい、ほんまもんの桜ではなく、みたいな意味かな。

幻想、妄想を、あだ、と言ってるんだろうか。

今日は時間がないから明日の桜を見よう、って心の動きを、いやいや、夜半に、春の嵐が吹くかもよ、とね。

明日の桜、ってのは、幻想なんだぜ、ってわけだ。

あなたの中にだけ存在している桜、とでも言えるか。

なんてことを朝まだき、とも言えなくなった春の朝に、ツラツラと思ほゆ、と。

外では、わがトーテムのカラス君が、鳴いている。

そう、このところ、手指の消毒ざんまいで、というほどでもないけれど、ということで。

指先が荒れる、久方ぶりのアカギレが痛い。

母さんのアカギレ痛い、生味噌を擦り込む、だっけ、歌、あったよね。

母さんの擦り込んだのは、生味噌だけど、当方は、熊の脂。

以前もご紹介した、昨年の漆器祭りで買い求めた、猟師のおかみさんから。

まるで、落語の「鰍沢」の、花魁上がりのおかみさんからの熊の脂を。

なんてシチュエーションが思い浮かんじゃうな。

雪深い、鰍沢の地で道に迷い往生した行商人、懐には大金を抱え、とある民家に。

たどり着く。

そこにいたおかみさんが、吉原の、元花魁、駆け落ちしてきた相方が猟師で。

雪深い田舎家で暮らす。

大金を見たおかみさんは、毒を盛って行商人を殺し、それを奪おう、とする。

寒いからどうぞ、この熱燗を、ってわけだ。

行商人はそれはありがたい、と飲む。

残りの酒を、知らずに帰ってきた亭主たる猟師が飲んでしまい、カラダ不如意になる。

それを見た行商人、すかさず、逃げる、それを追うおかみさん、って絵柄ね。

古今亭志ん生で聞いた。

志ん生は、前座の頃に、楽屋で、三遊亭円朝の「鰍沢」を聞いたらしい。

タバコ吸いながら聞いていると、鰍沢の川の流れる音が聞こえてきた、ってくらい真に迫った噺だった。

と一つ話で語っていたそうだ。

なんて「鰍沢」を彷彿とさせるような、漆器祭りでの熊の脂、ってここに来るまでが長かったね。

春の嵐から親鸞さんへ行って、熊の脂にたどり着き、そうだ、木曽へ行こう!ってことだね。

しかし、駿河の朝は静かだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする