まわりで起こっていること

since2004.12「糠漬け初心者」

古稀

2008年07月14日 | Weblog
「ゴルゴ13」を描いている漫画家、さいとうたかお。

夜中のNHKで、自叙伝みたいな番組をやっていた。

トラウマから解放されたのは、古稀の少し手前だった、と語っていた。

あれだけ売れている漫画なんだけど、自分の作品を見るのが、嫌いだった、と。

なぜなんだろう、と長年、なぞだった。

どうやら、母親の言葉だったらしい。

絵なんか描くな、という。

父親は、小学校のころ、いなくなったしまっていた。

絵描きを目指していた父親だったのか。

あんたのおとうさんも、あんたみたいなこといって、どこかへ行っちゃたんだよ、と。

さいとうたかおが小学生のころ、絵で、金賞をもらう。

でも、母親は、ほめてくれず、その絵は、かまどにくべられてしまった。

戦争から復員したばかりの、紙芝居のおじさんに、懇願されて絵を描いてあげても、母親は、あんたは、中学を出たら、散髪屋になるんだから、絵なんか描いちゃ、だめだ、とにべもない。

後年、漫画が本になったとき、余命幾ばくもない母親の枕元に、その本を置いた。

たたみの目を数えておいて、母親が読んだかどうか、母親の死後、確認した。

手にも取ってなかったことがわかった、なんて言うこともいっていたな。

母親の言葉って、すごいもんだね。
コメント
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