笑った顔

パパのこと、おぼえてる？

妻が、末の息子にきいたらしい。

笑った顔をおぼえている、だって。

かなしいような、うれしいような感じがした。

18日になくなった義弟のことを、こどもたちは、パパと呼んでいた。


うけた恩は石に刻み

かけた恩は水に流せ

というのが、この間、66歳で亡くなった方の座右の銘だったという。

笑いかけてくれた顔は石に刻み、だ。

笑いかけてくれた顔は、うけた恩、ということだと思う。

森進一のおふくろさんの歌詞ではないけど、陰になり、日向になり、いろんな思いをかけてくれていたこと、なかなか、気がつかないんだよね。

明日は、彼を、荼毘にふす。

冥福を祈る、ということは、わが身、わがこころを、光で照らすことに通ずるように思う。