美保の厨房日記

アルバトロスの日常に起こる小さな変化

強い女

2009-04-19 23:55:58 | 仕事
今日は、マスターの好きなお姉さまがいらっしゃいました。

背が高くてスタイルも良く、美人で格好いい方です。

性格は、正論をすっと言い切る大人の方で強い人です。

気が強い人ではなく、あくまでも強い人です。
気が強いのは、ただのヒステリックなだけで、
私もマスターも、そう言う方は苦手でございます。

彼女は、怖いお姉さんと、マスターは言っておりました。

私も彼女が好きです。

最近、私。
本当に元気に仕事をしています。
色々な方から心配され応援され、色々な言葉を貰いました。
で、お陰様で、やっと心中に変化が出てきました。

マスターへの悲しみや寂しさは、
残念ながらずっと抱えて生きていきます。
もう、認める言うのか、受け入れたと言うことなのか
どう言葉で表現をすればいいのか上手ではないですが。

悲しみは、もうずっと消えないんだろうと思います。

寂しさも相変わらずです。

ただ、寂しいと感じる時に、
いちいち感傷的にはならなくなりました。
だって、それって、自分が独りぼっちでつまらなくて
自分が可愛い故に成り立つ感情だからです。。多分。

前に進む気も起こりませんでした。

でも、今は。
何だか、マスターの残した仕事に使命感を感じています。
マスターの料理に感動した私が居たように。
これから、もっと色々な方に知って貰わなければいけない、と
仕事への火が灯っております。

感傷的に自分の寂しさに、悲しんでいるのは
もうやめます。
マスターが居ない寂しさは、ずっと残りますが、
寂しさを悲しむのは、自分で嫌になりました。

そんな事よりも。
私は前に進みます。
マスターの包丁を握って、いい仕事していきます。
私の心の中に、マスターは居るのです。

物も捨てられないし、匂いもかぐし、
想うと泣くけど。

上手く表現できませんが、もう大丈夫です。

この3ヶ月弱で、この元気。
私は弱いと思っていたけど、強いかも知れません。

そう、彼女に言いましたら。
「強くなきゃ駄目よ。弱いのはただの怠け者」
と言われまして。
あぁ、そうだなと、やけに実感いたしました。

この数ヶ月。
私は、もの凄く色々な方に励まされました。
こんなにも、応援してくれる人がいるのは
多分、普通ないことのように思います。

貰った言葉から、元気を貰い、納得したり。
こんな事を書くのはどうかと思うけど、
私よりも辛い思いをしている人は、居るんだという事に
自分への甘えを痛感したり。
同じような思いをしている人が
断ち切れずに、何年もずっと変わらなく、
ずっと亡き人はこうだった、ああいう人だったって
ひたすら話し、思い出で生きているような話を聞いて。
私は、正直。
こうはなりたくないと、思った。
もちろん、私だって、いつまでも悲しいし、
断ち切れることはないし、断ち切りたくない。
けど、ずっとそこから、動き出さないのは嫌だ。
私は新たに生活していきたい。
面白いことや、楽しいことを望んで生きていきたい。

前は、マスターが居なければ、何をしても意味がなく。
楽しく感じないし、むしろ空しい。。と
そう思っていました。

でも、今は。
そう思わなくなりました。

美味しい物を食べ、幸せを感じたい。
みんなが美味しいって喜んでくれることに
私は幸せを感じるのだから。
少しずつ、私も幸せになりたいと思う。

多分。
私には、私に託された仕事があるから。
だから、そう思えるのかも知れない。
生きる道を作ってくれたマスターに、感謝です。

ある方に言われました。
「仏壇に手を合わせて。マスターありがとう。って
 言えるようにしなさい。」って。

私は今まで。
寂しいしか、言っておりません。
まだ、ありがとう。。なんて言えませんが。
いつか、言える日が来ればいいと思う。

私は強い人になるんだ。

こうなってしまった今。
マスターだって、私が元気に幸せに生きることを
望んでいるはず。そう思っているはず。

泣いてばかりで、前に進まない私に怒ると思う。
そんな風に、育てた覚えはないぞ。。って。