おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

自分の大きさ

2020-02-20 11:46:07 | 日記

 ランニングシューズを新調したりすると、走っている最中につま先を地面に引っ掛けたりする。家の中を歩いていて、タンスの角に足の小指をぶつけたりする。ドアをくぐろうとして肩を激しくぶつけたりする。歳のせいかなと思う。もしかしたら、若い頃から同じようなことを繰り返していたのかもしれないが、歳のせいと言っておけばなんとなく納得できる。こういうのを老人力と言うのだろうか。

 以前、実験で人はなぜ足の小指をぶつけるかと言うのを実験していた。それによると、個人差はあるものの、足を前に出す時に目隠しをした状態だと数センチ外側にブレるらしい。これがぶつける要因となる。実験するまでもない、僕らは自分の体の大きさをきっちりと寸分たがわず把握しているわけではないということだろう。

 ただ、自分の大きさを知らないということで言えば、目に見えない精神に関しては、もっと狂いは大きいはずだ。自分の精神がどういう形をしているのか、どのくらいの大きさなのかをはっきり知る手段はない。仕方がないので肩書きだの資産だの、才能だの、いろんなものに頼らなければならない。それでなんとなく自分という人間の姿を思い描くことができるが、昨日までの自分が今日の自分とは限らないから問題は厄介だ。

 昨日まで健康だったのが、今日は病気になる。昨日までお金があったのに、今日は借金を抱えている。昨日できていたことが、今日はできなくなっている。

 体の大きさはシークレットブーツや整形などで変えられるとは言え、手間がかかる。その点器の大きさを変えることは簡単だ。自分で自分に嘘をつけばいい。時々、「今のままでも満足してます」と口にする人がいる。が、その本心はうまく自分をだましているかもしれないが、他人には本当のところが見えている。何事かをあきらめたことを「満足」という言葉に置き換えているに過ぎないということを。「うまく行ってる」と言いながら、口を開けばグチばかりでは、誰も信用しないだろう。体をあちこちにぶつけるのと同様に、きっと精神も思わぬところでぶつけている。精神だってケガをする。

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