おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

シンギュラリティ

2016-12-27 11:34:35 | 福島

 人間というのは、すぐ目の前の問題を解決するためには素晴らしい能力を発揮するが、少し先のことや、膨大な量のデータを基にした問題解決ということは苦手としている。そこで、昔から目の前のデータを基に、それを敷衍することでより大きな問題や先のことを予測してきた。

 その点、コンピュータの登場は、人間の苦手な部分を克服する手段としてはうってつけだ。おまけにその計算能力は、技術の進歩に伴い理論的には限界がない。初期には数時間かかっていた計算問題も、コンピュータの能力が上がれば即座に計算する。

 最近科学者の間で、真面目に討論されているのが、このコンピュータの限界のない能力向上のことだ。今の速度でコンピュータが進歩すれば、人間の脳の能力を2045年には超えると言われている。それを技術的特異点、シンギュラリティと呼ぶが、簡単に言えば、コンピュータがはじき出した答えが、正解か不正解か、人間には確かめようがなくなるということを意味する。

 例えば、車を運転中、危ないのでブレーキを踏もうとしたら、人工知能を搭載した車はアクセルをふかすかもしれない。人工知能が人間の能力を上回れば、人間はそれに従ったほうが事故が起こらないということになる。あるいは、国家間や地球規模の問題のように、すぐに答えが出ないような問題では、人間はコンピュータがはじき出した答えを検証しようはなくなる。その時には、盲目的にコンピュータの答えに従うしかなくなるだろう。

 神様は無駄を嫌う。早く走ることができる動物には翼は与えず、力の強い生物には毒の牙は与えない。もし、地球上に高度な知能が二つ存在すれば、神様はどちらを選ぶだろう。

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