九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

小出裕章氏最近の言葉  文科系

2014年05月03日 11時52分30秒 | 国内政治・経済・社会問題
 阿修羅掲示板に、「杉並からの情報発信」よりということで、こんな文章がありました。紹介します。

『(前略)私は、福島の事故は津波だけでなく地震も大きな要因だと思っています。でも、地震で一体どこが壊れて、津波が最後のとどめをどう刺したかもわからない。検証には十年、二十年かるのではないでしょうか。それまでは対策のたてようがないわけで、新規制基準なんか作れる道理はありません。

 津波と地震だけ対策をとれば大丈夫なのかというと、それは違います。これまで原子炉が大きく溶けた事故は四回ありました。1957年の英国ウインズケール、1979年の米国スリーマイル、1986年の旧ソ連チェルノブイリ。そして福島です。福島以外は地震も津波も関係ない、それぞれの原子炉の固有の危険性が表れ、事故になりました。私は、もし日本で次の事故が起きるとすれば、多分地震も津波も関係ないと思います。

 それでもなぜ再稼働という道へ行くのか。電力会社の場合は、運転できなければ資産が不良債権になるわけで、たぶんみんな倒産します。なんとか倒産を逃れたい。なんとしてもやろう、というふうになるのだと思います。

 それに、これほどの事故を起こしても東京電力の会長、社長以下だれ一人責任を取っていません。普通の企業なら倒産しているし、何十回倒産しても贖いきれない被害が、既に出ているわけです。福島の事故は一民間企業が賠償できるような事故ではありません。倒産させ、国が血税で対処するしかないと思いますが、国は資金を注入して破産させないようにしています。事故を起こしても誰も責任をなくていい、絶対倒産しないというメッセージを流しているわけです。そうなればほかの電力会社だって怖くない。政府も、東電を救済するだけでなく、自分たちも責任を取らない体制というのを、いま作っているのです。』

 総て正論だと思いますが、こんな単純な理屈がどうしてこの国には通っていかないのでしょうか。最も重要なこと、意図が隠されているからとしか思えません。「非を認めれば、電力会社だけでなく、従来の政治家、官僚などからも逮捕者が出るのではという心配」とか、「官僚の膨大な天下り先がなくなる」とか、「(せいぜい10年単位の)景気対策から、不良債権は嫌だ」とか。でも、この付けは必ず後世に回されていきます。まー、その時になってもしっかりと原子力村創建者達の罪過はきっちりと問われるはずですが。「天網恢々疎にして漏らさず」と言うではありませんか。さもなければ「この世には、神も仏もないものか」ということになりましょう。「人一人殺せば人殺しだが、無数に殺せば英雄?」っていうブラックジョークのような諺もありました。
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韓国の新聞の一つの傾向     らくせき

2014年05月02日 16時31分35秒 | Weblog
旅客船沈没事故が、なぜ韓国の人々を政府不信にまで駆り立てたのか?
事故に新聞人がどう対応しようとしているのか?

こんな関心から二つの新聞の論調を紹介します。


朝鮮日報 

セウォル号沈没事故は、韓国社会の職業倫理と公職意識がいかに脆弱なものであるかをまざまざと示した。こう
「経済大国」などの誇りも一瞬にして崩れた。
「信頼の欠如」は間違いなくより大きな犠牲を招く原因になる。
徹底した責任意識と倫理観によって韓国社会を根本から作り直していかなければ、
先進国の夢も民主主義の理想も全てが水の泡だ。
このままでは第2、第3のセウォル号沈没事故がいつ起こるかわからないし、
自分や家族の安全もいつ危険にさらされるか分からない。
無責任な船長や強欲な船主、無能な政府を罵倒するだけでは何も解決しない。
韓国社会の各所に根付いた「セウォル号の病弊」を見抜くことのできる知識人、
すなわち「韓国のデイヴィッド・ヒューム」にぜひとも会いたいものだ

中央日報

セウォル号の本当の犯人も、お金だけを好む悪徳企業家だ。
船が転覆するほど貨物を載せて、古い船を買って運行しながらも
「新しい船は高くて」と弁解し、事故の前兆があったのに無視をしていた企業家だ。
乗客や同僚船員に知らせないまま船長と幹部だけが脱出したのも以前にあった三豊と全く同じだ。
安全検査を疎かにして管理・監督の責任を放棄した機関と癒着関係で汚れた官僚がいたことも。
このように同じ大型惨事が繰り返される理由は何か。
意識や文化などソフトウェアが変わっていなかったからだ。
惨事の原因である拝金主義と成果至上主義は、むしろもっと深刻になった。
数十年間叫んできた「速く、速く」の文化も相変わらずだ。
目標を達成するために疾走するシステムも同じだ。
そうやってデパートを建て、橋を建設し、地下鉄を通した。
もちろん「漢江(ハンガン)の奇跡」はその産物だ。
肯定的な面だ。だが肯定と否定はコインの両面だ。
「世の中に無料(タダ)はない」という当然の真理をこれまで見逃していた。
狂ったように沈没する船と、狂ったように崩壊するデパートと橋があるということを度外視していた。
正直や誠実、勤勉という倫理は消え、顔色をうかがい知恵を絞って生きるべきだという要領がその場を埋めた。
不正と不条理が積み重ねられた理由だ。
歴史学者アーノルド・トインビーが話したそのままだ。
「後進国は、西洋の技術や方式だけをまねるのではなく、
それらを使う精神も共に学びなさい」との忠告の言葉だ。
精神を学べなかったから大型惨事が相次ぐのだ。トインビーの警告を無視した代償だ。

                   

職業倫理や公職者の奉仕精神は外国、先進国から学ぶものなのでしょうか?
自国の歴史のなかにも立派な人たちはいたのでは?
ちょっと寂しい論調かな?



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安倍首相を大胆にさせた要素は3つある。    らくせき

2014年05月02日 11時02分22秒 | Weblog
と、中国メデイアが次のように報じています。

1つ目は、自民党内の意識形態が変化したこと。東京大学などの調査によると、2009年の衆院選における同党の小選挙区立候補者271人のうち、安倍首相の防衛、改憲政策支持者は61人だったが、12年の衆院選では264人中189人と大幅に増えたという。

2つ目は、衆議院が解散しない限り、2016年まで国政選挙がないこと。

3つ目は、「アジア・リバランス」を目指す米オバマ政権が日本との軍事関係強化を望んでいることだ。

経済の重大な失敗、大災害が発生しない限り、安倍政権は近年まれに見る長期政権となるだろう。

                  
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随筆紹介 「農業顔」  文科系

2014年05月01日 23時02分14秒 | 文芸作品
 今回は、S.Nさんの作品。ちょっと60代以上とは感覚が違うと分かるはずの作品。文章自身はオーソドックスなものですが、表現している対象、感覚がちょっと違う。そう僕は読みました。今の日本の世代による感覚の違いってかなりのものだと、いつも思うのです。

『 農業顔
 毎週月曜日は気が重い。その日も夫の里で義母の介護をするために、昼近く地下鉄の乗り換えホームにぼんやりと並んでいた。できることなら、くるりと後ろを向いてこのまま帰りたい。介護を始めて二年近くになった。週一回のこととはいえ、相変わらずいやで仕方がない。
「私さ、来るときに自転車にぶつかってさぁ」そのとき、いきなり話しかけてきた女性がいた。えっ、私に言っているの? それとも後ろに並んでいる人にだろうか。「運動靴はいていたから、なんともなかったけどさ」列にもぐり込みながら私に言う。以前から知り合いだった、とでもいうような言い方、だけど面識はまったくない。痩せて背が高い。大きなマスクの下には、どんな顔があるのだろう。なんで私に? 人違いじゃないの。関わりたくない。

 その時、私を助けるように電車がすべり込みドアが開いた。多くの人が降り、乗っていく。私はその中にまぎれて、空いているひとつの席に急いで体を落とした。よかった、あの人はどこかへ行ったのだろう。と思ったら、私の前にやってきた。さっきの話しの続きをする。気をきかせた左隣の若い男性が立った。きっと、私たちは親しい間柄とみたのだろう。
「私六十七。民生委員が来るけど、お金盗られるから二回追い出したんだ」、そうですか。言っている意味がわからなかったが領いてみる。どうしてそんな話をするんだろう。適当相槌を打って早く別れたい。
「アンタ、生まれはどこ」、「長久手です」、どこでもいい、話し相手になりたくない。「農業やってるでしょう」、「えっ、農業? は、はい」、なんでもいい、適当に答える。「やっぱりね。農業って顔してるもん」、自分の勘は正しかったと自信たっぷりの様子。私が降りる駅は五つ先、まだあるな。でも次で降りてしまおうか。
 その時、「あ、私ここで降りるね。じゃあね」、開いたドアに気づいて、彼女は慌てて席を立って行った。その後ろ姿を見送りながらホッとした。人の戸惑いに関係なく、自分のペースで話をしていった。彼女はいつもあんな調子で、見知らぬ人にいきなり話しかけているのだろうか。心が疲れた。ただでさえ、夫の里に行くので気持ちが塞いでいるのに、今日は運が悪い。

 それにしても、農業顔ってなに。それは褒め言葉だろうか。彼女が言ったことが妙にひっかかる。こんなことを言われたのは初めてだ。農業、っていう顔は、どんな顔なのだろう。テレビや新聞雑誌などで、野菜や花、米、などを生産している人たちを見ると痩せている人が多い。顔もすっきりとし、私のように下ぶくれ顔ではない。なのに、どうしてあんなことを言ったのだろう。

 ドアが開いた。私が降りる駅だ。深い息を吐き出しながら、そして農業顔、とやらをつけながら電車から降りた。』
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