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随筆  薄汚れたわが国     文科系

2018年01月15日 22時03分35秒 | 文芸作品
ある日の新聞の記事に関わって腹が立ったことを一つ。まず、夕刊のこんな記事。

『失業率二二年ぶり二%台 二月改善人手不足感強まる』

 総務省発表報道である。内容をよく読むと例によってインチキ臭い「完全失業率」とやらのこと。この数式の分子に「家事手伝い」女子や一定期間に一日でも働いている人などは含まず、分母は、他国と違って公務員や軍隊兵士を含んで多くしてあるという。失業がない公務員を失業可能群に入れてはいけない理屈からだ。こうして日本のこの数式は、当局にのみ都合がよく、当事者国民には極めて不都合なもの。
 因みに、「ポスト真実」が世界でも日本でも政治世界に流行だが、日本の官僚はいつも統計数字にこういう手口を使ってきた。国連に基準がない統計については、世界で最も政府側に都合の良い定義、基準、数式を使っていると見た方がよい。そして、悪い政権の時には、そういう数字ばかりを打ち出し、報道して、政府を擁護して出世していく。
 ところがさて、流石最近の中日新聞。昨夕刊に対して次の日の朝刊で即「訂正記事」を付けている。

『失業率改善二二年ぶり二%台 非正規多く消費は低迷』

 そう、これが正解、次のような最悪事態は何も変わっていないのだから。こちらこそ本当の国民実感であって、総務省の宣伝数字など、これと比べればその価値はどこかに吹っ飛んでしまうチャチなもの。国連発表数字にこんなものがある。
 
 日本国民一人当たり購買力換算GDPの歴史的推移というものだ。各国比較順位も含めて。一九九五年、二〇〇五年、二〇一五年で、こう推移している。順位は、五位、二三位、三二位と極端に落ちていく。一人当たり金額も、四万三千七七四ドルが三万四千六二九ドルにまで落ちた。この劣化ぶりが、九五年と一五年とそれぞれ十位の国との比率を観てみると、非常によく分かる。日本が三位であった九五年は十位の国の一二六%だったものが、二〇一五年には五七%にまで落ちてしまった。他国がどんどん上がってきた間に、日本GDPだけが急減しているからだ。十位の国はこの二〇年に、三万四千八七一ドルから六万五一四ドルにまで上がったのである。これが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれてアメリカまでを買い漁った当時からの、黄昏れた日本国の末路なのである。

 総務省と国連、どっちの数字が日本国民に密着しているか、誰の目にも明らかだろう。

 世襲政治家が跋扈し、官僚は身内を助け合うだけの互助会のよう。日本の場合いつの日も官僚は政府密着なのであって、今で言えば安倍さんが「好きそうな」数字ばかりを忖度して発表するのだろう。反対に、政権に都合の悪い数字は「破棄しました」と逃げる(よう助言する)のも、また忖度。そして、こんな官僚ばかりが出世して政治家を「指導」するから、若い政治家がまたまた薄汚れていく。するとそれが当たり前になって、次代の人間も余計薄汚れるように育っていく。

 こんな政治の結果が、こうだ。フクシマは誰も責任を取らず、文科省が全省庁官僚を大学教員職などに天下り斡旋をする。田母神を観ても分かるように防衛省の世論誘導、ネット誘導はますます盛んで選挙を動かすほどになっているだろうし、籠池、加計では財務省などが「特例措置」の「忖度」。
 九九%庶民にとってはまことに薄汚れた、みすぼらしい国と言うしかない。

 ちなみに、不安定労働者ばかりで、大人一般のまともな職業や給料がこれだけ増えなければ、若者に希望など全くない国と言うべきだ。結婚できない若者が増え、少子化も止まらない。喧伝されている先進国は皆少子化というのも暴論の嘘。これは、二〇世紀末ごろのこと。英米仏などは真っ当に持ち直して、出生率二を超えた。


 新世紀初めころの日本が後世こう語られるのは必定である。薄汚れた支配者達が、世界一質も高く働き者の庶民がいた国を、若者に希望がない急激な人口減少国などと、ここまで堕としてしまった黄昏れた時代、と。最近の政治家がよく唱える「愛国」は、笑い話というのか、それとも、こんなだから「愛国」を強調しなければならな今であるのか。

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嘘の数々 (文科系)
2018-01-16 14:31:16
 安倍政権下宣伝の嘘の数々には、甚だしい物があります。「長期上向き」などの景気関係、就職率関係、給料関係などなど全部フェイクです。その手口はこう。

 まず、基準、定義を変える。30年などと言う長期変化は無視し、ごく短期の小さな変化を喧伝する。部分を全体のように語る。こんな遣り口ばかりです。

 注意しましょう。上のエントリーはそういう注意にご活用下さい。安倍政権は民主主義の敵です。憲法の立憲主義を無視して軍事などの国家機能を過大にし、日本人、日本史修正に異常に拘り、そのために国連を無視して、などなどです。主権者を「やむを得ず殺す」死刑もどんどん増えています。
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Unknown (Unknown)
2018-01-17 16:34:04
またか・・
文ちゃんの「薄汚れた」シリーズは、「ウリの思い通りにならない」と、置き換えてOK。
安倍政権は、そんなに良くはないが、「「民主党時代の方が良かった」とか言う文ちゃん論」よりは、マシ。
基準や定義を変えて、その事を誤魔化しているのは、サヨや文ちゃんの方では?
・・死刑で死んだ連中。文ちゃんの友達だったの?
どう見ても、政治的には、無関係だと思うけど。
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Unknown (Unknown)
2018-01-17 17:03:29
サッカー論でもそうだけど、敗因を直視しないと、強くなれないよ。
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民主党時代の方が悪かったに決まっている (文科系)
2018-01-18 12:17:13
 皆さん、標記のことを強調するは、特にネットでこれを言いふらしてきたのは、僕の経験上ほぼ公明党に決まっていると愚考してきた。

 反論として例えば、こんな基礎数字はどうか。国民1人当たり購買力平価GDPも安倍時代よりはずっと高かったし、特に良かったのが情報公開度。鳩山時代は12位だった。それが今は100位以下のはずだ。情報公開をしないで、逆にフェイク・ニュースで自分を守っているのが、安倍政権ではないか。

 「民主政権は悪かったに決まっている」と語って来た人は、常に、その理由を何も語らないのである。だからこそ、与党側の世論工作だと言っているのだ。
 「何でも良いから、民主政権時代は悪かったと流せ」。と、こんなやり方はヒトラーの遣り口。嘘も百編言えば世に栄えると。

 
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Unknown (Unknown)
2018-01-18 18:52:49
愛国は笑い話なのね。
そりゃ、「文ちゃん風民主主義」は勝てないわ。
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Unknown (Unknown)
2018-01-19 18:32:35
「後世こう語られるのは必定である・・」とかも、凄いよね。
そんな必定、どこにもないのに。
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Unknown (Unknown)
2018-01-19 19:04:27
で、困ると、はーちゃんネタ。
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社会と人間変化との悪循環 (文科系)
2018-01-20 08:08:27
 最近、日本オリンピック候補選手が二人、悪質な薬物不正事件を起こした。昔の日本人には考えられないような事件だ。この事に顕れているように、60歳以上の人々であれば、日本人の質がどんどん落ちていくと感じているはずだ。世界一犯罪が少なく、よく働き、勤勉・誠実であるという意味で質が高かった日本人が・・・。

 当たり前だと思う。政治家や官僚など日本の先頭に立つべき人間たちが、自己責任逃れをして、上のようなフェイクニュースを流す事なども含めて不正ばかり働いているのだから。また、新自由主義という「変な経済」のせいで、普通の人が世界中で食うや食わずの生活にされているのだから。

 失業や不安定労働者ばかりでこの超格差というような世界経済恐慌状態というのは、衣食足りて礼節を知るの正反対で、人の質を悪くするもの。そもそも、日銀、GPIF介入で吊り上げた株というものが、もうフェークニュースならぬ、フェーク経済とも言えるのである。

 こんな豊かな世界でどうして、人が食えないのであるか? 若者が結婚できない、子供が産めない、そんな社会なんて言うのこそまた、論外というもの。こんな世界で軍事費だけを吊り上げているアメリカがまた論外。そのアメリカ、自国だけでなく他国の軍事費も増やせと迫ってくる。アメリカの武器を買えと言う事であって、これがまた論外。 
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