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新聞の片隅に載ったニュースから(番外編Ⅳ)    大西五郎

2013年01月13日 11時55分05秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(番外編Ⅳ)

  金平茂紀さんのテレビ評 映画「アルマジロ」(2013. 1.12毎日新聞夕刊)

 多くの日本人にとっては、そんなことは過去の話でもう関係ないよ、と思われているかもしれないが、アフガニスタンやイラクでの戦闘はまだ終っていない。アフガニスタン駐留の国際治安支援部隊(ISAF)を構成するデンマーク軍に従軍取材して制作されたドキュメンタリー映画「アルマジロ」をみた。近く劇場公開される。
 従軍取材という形でこれほどまでに戦争の赤裸々な実相に迫ったドキュメンタリーは見たことがない。敵のタリバン兵を圧倒的な武器で掃討していく戦闘作戦に、ヤヌス・メッツ監督らは最前線の兵士と同じ視線でのぞむためハンディーカメラをもって、まさに兵士のようにshoot=シュート(撮影と射撃は英語では同語である)した。密着していた5人の兵士のヘルメットにもカメラが装着されていた。その臨場感は半端ではない。また非戦闘時に基地内でポルノ映画を見て興奮し、戦争ゲームに熱中する若い兵士たちの日常が淡々と撮られている。デンマークではごく普通の「善良な」市民であったようにみえる。だがその彼らは戦場ではいわば「戦争中毒」に陥っていく。(中略)
 実はこのドキュメンタリー、欧米では、フランス、ドイツ、イギリスなど各国のテレビで放送され、特に当事国デンマークにおいては国民的大論争が巻き起こったのだ。わが国デンマークはこの戦争に本当に関与すべきなのかどうか、と。
 アメリカではすぐれたテレビ番組におくられる12年度のエミー賞のドキュメンタリー編集部門賞を獲得した。テレビでこのような作品をきちんと紹介できるのに。と思っていたら、何とこの作品、NHK・BS「世界のドキュメンタリー」で11年10月に2夜にわたってすでに放送されていたのだという。ぜひとも地上波でもアンコール放送してほしいものだ。

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 今回は毎週末の毎日新聞夕刊に連載されている「週刊テレビ評」から金平茂紀さんのずばり!直言を紹介します。筆者の金平茂紀さんはTBSの土曜日夕方の「報道特集」のキャスターで、現在TBSの執行役員でもあります。
 わが国でも、ベトナム戦争当時、日本テレビが「ベトナム海兵大隊戦記」というドキュメンタリーを制作し(制作者は牛島純一氏)、3回に分けて放送する予定がありました。第1回の作品にベトナム解放戦線の兵士と疑った住民の首を切り取り、それをぶら下げて歩く米兵の姿など、戦争の残虐な場面が記録されていたため、当時の橋本官房長官から日本テレビに電話があり、予定されていた第1回の再放送と第2回、第3回の放送が中止されるという事件がありましたが、金平さんは「僕らはこの映画を見終わって、戦場という場において、人間がいかに残酷で非人間的な行為を平気で行えてしまうのかを目の前に突きつけられる。また、軍隊の本質として、自らの残虐行為を隠蔽しようとするかも知ってしまう。」「僕らの国では、国防軍創設とか集団的自衛権行使容認をめざすとか勇ましいことを言い散らす人々が政権についたけれど、そういう人たちにぜひともみてほしい作品である。がんばれNHK。」と結んでいました。
                                       大西 五郎
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心を揺さぶられた (文科系)
2013-01-13 13:04:27
 このエントリーで、アフガンでのデンマーク軍従軍記録のことと、ちょっと記憶のあるベトナム戦争報道問題は、近年少ないほどに心を揺さぶられました。アメリカを中心とした現世界体制の最大弱点ですよね。しかも、その「世界的焦点に位置する出来事」でどんな文章よりも「迫力?」のある映像と音がにおってきます!

 他方、湾岸戦争やイラク戦争の、官製報道番組の作られた「ぬるま湯」には辟易としていましたから。そのくせ、フセインが捕まる場面だけはこれでもかと流して、「自由アメリカの献身的勝利」を歌い上げて見せた! こんな「体制」が続くわけはないと、改めて怒らせてくれたエントリーでした。

 大西さんには、こういう普遍的視点の記事をこそ、これからも期待します。いくつかのコメントを見ると、ややバイアスのある見方をされて損しているのではないかと、言いたかった。記事を選ぶ視点がちょっと違うのではないかと、僕もなんとなく感じていました。当たり前のことだと言われれば、それまでなのですが。

 こういう物の公開問題にこそ、その国に最も必要な面での自由度が確かめられるのでしょうね。
 
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思い出しました。 (只今)
2013-01-14 11:18:39
 40余年前、TBS「ハノイ・田英夫の証言」という報道番組が反米的と批判され、田キャスターは辞任、プロデュサーの村木良彦さんは制作現場を追われるということがありました。
 思い出したのは、その村木さんを励ます会でのことで、参加者の一人がぽつりと言ったことです。
 「〈励ます会〉とありますが、
 励まされているのは私たちであって、
 だから私たちが考えなくてはならないのは、
 私に出来ることは何か、ということなのではないでしょうか?」
 
 
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このコメントに同意! (文科系)
2013-01-14 20:48:21
 只今さんのこのコメントに、人として深く同意。
 最後の4行がとってもいい。あなた、こういう体験があったのだ!あなたのここに書いている物の中にこれが受け継がれていると、僕ははっきり分かるつもりです。ちょうど、らくせきさんの書く物の中に大西さんが香り出て来るように。
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