心配性さんが、非常に時宜を得た嬉しい投稿をしてくださったので、早速彼に寄り添うことにさせていただいて、標記のことを書く。岡田武史のサッカー観のさわりである。とても面白い物だ。
「いままでは大きな目標がサッカー界のなかに収まっていたけど、これからは、サッカー界のなかに収まらない。もっと存在意義のようなものを問われる時代になると思う。僕がF・マリノスで二連勝したとき、カルロス・ゴーン(日産自動車CEO マリノスの最大スポンサーが日産です。文科系)がこう言ったんです。『おまえは結果を出したからいい監督だ』って。僕は『へーっ』って思った。結果だけ出せばいい監督なのかなって。結果には当然、責任を負わなきゃいけない。オシムも結果は当然出さなければならないけど、それプラス、もっと先のロマンであり幸福感であり夢であり、そういったものにつながっていかなければ、それはスポーツじゃないと思いますよ」(スポーツグラフィック「ナンバー686号」より)
なんとなく、彼が日産でいきなり日本リーグ2連勝したのに、その後間もなく辞めてしまったわけが分かるような気がする言葉です。最大スポンサー、カルロス・ゴーンと合いそうもなかった。どっちが器が大きいかは、明らかですけどね。
岡田には、サッカーを日本文化として位置づけて、日本スポーツ界の「狭い」悪習をもにらみながら青少年教育などとも本気で相携え、補完し合っていこうという、そんな意気込みさえ感じられます。サッカーの「Jリーグ百年構想」がまた、そういうようなものなんですね。
「いままでは大きな目標がサッカー界のなかに収まっていたけど、これからは、サッカー界のなかに収まらない。もっと存在意義のようなものを問われる時代になると思う。僕がF・マリノスで二連勝したとき、カルロス・ゴーン(日産自動車CEO マリノスの最大スポンサーが日産です。文科系)がこう言ったんです。『おまえは結果を出したからいい監督だ』って。僕は『へーっ』って思った。結果だけ出せばいい監督なのかなって。結果には当然、責任を負わなきゃいけない。オシムも結果は当然出さなければならないけど、それプラス、もっと先のロマンであり幸福感であり夢であり、そういったものにつながっていかなければ、それはスポーツじゃないと思いますよ」(スポーツグラフィック「ナンバー686号」より)
なんとなく、彼が日産でいきなり日本リーグ2連勝したのに、その後間もなく辞めてしまったわけが分かるような気がする言葉です。最大スポンサー、カルロス・ゴーンと合いそうもなかった。どっちが器が大きいかは、明らかですけどね。
岡田には、サッカーを日本文化として位置づけて、日本スポーツ界の「狭い」悪習をもにらみながら青少年教育などとも本気で相携え、補完し合っていこうという、そんな意気込みさえ感じられます。サッカーの「Jリーグ百年構想」がまた、そういうようなものなんですね。
中々の人ですね。
現在の日本のプロスポーツのなかで、こうした先の
ロマンや構想を持ったものがどれくらいあるでしょうね。
野球?相撲?????バレー??バスケ??
ゴルフ???
そこでもう一つ紹介しましょう。貴方の最後の4行にかみ合わせて。
こういう本があるんです。野球とラグビーとサッカーの「分かった人」3人の3部対談本で、題して「勝利のチームメーク」(03年刊)。日経新聞社らしいこの「良くない」題名よりは遙かに良い内容の本です。スポーツを語る視野が広いんですよね。
一部 古田敦也と平尾誠二
二部 平尾誠二と岡田武史
三部 岡田武史と古田敦也
まず二部からね。
平尾 (岡田がフランスワールドカップ予選のジョホールバルの奇跡から帰って)帰国してすぐに、日比谷の外国人記者クラブで記者会見したでしょ。
岡田 何でそんなこと覚えているの? 嫌だなあ。それで?
平尾 「国の代表選手が、こんなにも幼稚であることに驚いた」って。
岡田 覚えてないな(笑)
平尾 僕ね、感覚として分かるんですよ。(中略)日本人は子供の頃から「あれしちゃいけません」、「これしちゃいけません」って先生に教えられることが多いじゃないですか。(中略)
岡田 実際の試合になったら、監督は「こうしろ、ああしろ」とは言えないわけだし、最終的には、選手が自分を信じてリスクを取るプレーをしないと勝ちきれない場合があるじゃない。そんなときは、その日本人の性質がハンディになるんだよ。
平尾 ほんま、そう思います。普段からリスク取ってないやつが、本番でリスクを取れるわけがないんですよね。
次いで、三部から
岡田 野村(克也)さんがそれを一番心配していましたね。要するに野球は世界と勝負しないから、客が入りさえすればいいんだと。へたしたらアイドルが野球をやって、ファンの女の子で球場がいっぱいになっても問題ないのかもしれない、とまで。(中略)
古田 そうなんです。興行重視なんでーーー。いろいろ偉い人が決めますからね。
岡田 日本野球機構自体に力があんまりないんだよね、確か。
古田 ええ、まあーーー。
岡田 また歯切れ悪いな(笑)
古田 まあ、某球団が一番ファンが多いですし、実際あそこだけが凄く儲かっている。(中略)その球団にとってはいい循環なんですけど、球界にとっていい循環かどうかはわからない。
岡田 放映権は日本野球機構が買い取る訳じゃないんだ。
古田 球団に売買権があります。(中略)
岡田 若年層の野球人口はどうなっているんですか。
古田 Jリーグができてから99年までは確実に減り続けていました。2000年からはちょっと上がってるんです。(中略)でも、野球はまだまだ縦のラインがしっかりできていないんです。小学校から中学校、そして高校にJリーグのユース組織も絡んでいるサッカーと違って、それぞれが独立していて、指導者同士の交流もあるとは思えないですから。このまま行ったら10年後には、野球人口がどーんと落ちる気がします。(中略)
岡田 日本のプロ野球に危機感が生ずるとすれば、巨人戦の観客動員数がガクッと落ちた時じゃないのかな。
古田 そうですね、でも今後、もっと野球界全体の発展とか利益について考えられる人がどんどん出てこないとーーー。日本野球機構が力を持つことが一番いいんでしょうけど。
以上です。感想ください。
これを始めたのが読売の正力松太郎。
なぜ、始めたのか?
読売新聞の経営建て直し。
以後、つい最近まで、プロ野球は
メデイア企業の広告塔というDNAを
受け継いできました。
Jリーグ・サッカーになって少し様子が
変わりましたが、広告塔の役割は、逆に
大きくなっている面もあります。
おそらくプロ野球界を襲っているのは
グローバル化の波でしょう。
プロ野球は、神国教育から野球を切り離す
役割を果たしていましたが、
企業のの広告塔という役割はまだ終っていないようです。
これからのプロ野球のありかたは、かなり
紆余曲折がありそうですね。
岡田 「クビ」になっても他のチームが取ってくれるかもしれないよね。
古田 自由契約になったら取ってくれるんですけど、「任意引退」だと他の球団には行けないんです。
岡田 何それ? 「任意引退」だから「自分の意志で引退」ということ?
古田 そうなんです。
岡田 いずれにしても、その球団が要らないのなら他のチームへ行くのは自由なんじゃないの。
古田 それが駄目なんです。「自分のチームでは要らないんだけど、他のチームに行って強くなってもらうのも困る」と各球団が考えたときは、要らないのに要るフリしてかかえる。それがイヤなら「任意引退」しろと言われる。まだまだ常識では考えられないことがいっぱいあるんですよ。それがルールとして野球協定の中にあるんです。
岡田 (中略)サッカー界では考えられないよね。逆にサッカー界だったら、自分のチームが保有してても、試合に出られない選手は伸びていかないから、「このままだとお前は伸びないから、よそ行って試合に出てこい」と他のクラブにレンタルするからね。その後、本人が完全移籍を望んだら、そこで売買することになる。(中略)例えばトレードには本人の意思は
全くかんけいないの?
古田 まったく関係ないです。
岡田 「行け」と言われたら絶対行かなきゃいけない?
古田 「行く」か「辞める」かですね。それでかって、巨人の定岡さんが辞められたケースがありました。定岡さんが近鉄へのトレードを拒否したんですけど、それで自由契約にならなかった。
岡田 「任意引退」だ。
古田 「じゃあ、辞めろ」ということで。「任意引退」は所属球団の許可がない限り他球団へ行けないんです。
岡田 凄いなあ、その縛られ方は。
(中略)
古田 以前、人から聞いた話難ですが、マスコミがJリーガーとプロ野球選手に、「あなたは誰に給料をもらっていますか?」とアンケートを取ったそうなんです。その回答が非常に特徴的だった。Jリーガーは「観客」と答えた人が一番多かったのに対して、プロ野球選手は「親会社」と答えた人が一番多かったんだそうです。感覚的にわかる気がしますね。
(以下は、文科系)
どうです? プロ野球って、選手や観客の上に「親会社」が存在するんだ? 選手は移動の自由がなく、親会社ばかり見て、実質的には観客に目が向かない仕組みだと言える。その親会社の中でも、巨人だけが威張っている。
こんなに「全くの民間会社、それも巨人中心の」、というだけなら、理屈としては潰れてもいい社会だぞ!! 「会社だけで勝手にやったらいい!!」って言われたらなんて答えるのだろうか?
「公共精神ゼロの仕組、社会」と要っても良いね。