雑誌などを読んでいても、日本人のサッカー観点が、僕にはどうも気に入らぬ。技術、タッチの柔らかさだけで観ている気がする。こんなものは、幼い時に良いコーチに巡り会えれば,いつでも身につくものだ。例えば僕が5歳前の孫に水泳を教えた最近の経験だが、こんなことがあった。
補助浮きを両肩に付けた5メートル・クロールキック(これが彼のメガロス水泳教室のクラス課題で、このクラス試験に2回落第して、都合4ヶ月も無駄にしていた)ができなかったのを初めて教えていて、3日目に25メートルを2回もやり切ってしまったので、その場でこんな提案をしてみた。「浮きじゃなく、もっと上手な子のようにボードを持ってやってみる?」。「ウン」というからやらせてみたが、これも1回で25メートルをやり切ってしまった。それからの彼は、教室の様子も元気なこと! これまで4ヶ月、彼のメガロス水泳教室は一体何を教えていたのかという話である。なんせこんな子が、進級テストに2回も落第していたのだから。ちなみに僕が教えたのは,基本に返って「正しい伏し浮き」の姿勢、やり方だけ。正しく教えれば、子どものスポーツ、特に技術って、こんなにも伸びるものなのだ。
さて、少年時代に育つ技術、その柔らかさというのは、決して名選手の保証にはならない。攻守がますます激しくなった現代サッカーでは、もっと大事な条件がある。今の日本人について言えばだが、走り続けられること、強い体だ。その証明が、中田英寿と岡崎慎司だろう。高校生までは、技術は決して上手くなかった。ヒデはトラップは下手で、パスを出すよりも受ける人間だったという証言があったし、清水入団当時の岡崎は全般的に下手で、5~6番手のFWだったと聞いている。それがその後には、ヒデは当時世界一のイタリアで優勝した名選手、岡崎は世界一のイングランドに呼ばれて、奇跡の優勝チーム・レギュラーになった。2人とも身体が強く,走り続けられるのである。岡崎が、こう言ってのけたのを聞いたこともある
『この激しい当たり合いがしたくて、イングランドに来たんですよ』
ヒデも岡崎も、特に走り出しが速く、それを繰り返すことができるという特徴を持っている。そしてここが肝心なことなのだが、走り続ける能力、心肺機能は中学生以降には鍛えにくい。つまりその後では手遅れ、世界には通用しないのである。ちなみに、強い身体の方は、高校生以降、20歳過ぎても鍛えられる。
長谷部誠が世界に知られた選手になれたのも、彼の渡独1年目にマガトという良い監督に鍛えられたからだ。長谷部のこんな話を読んだことがある。
「1年目は、マガトの軍隊式体力トレーニングばかり。即家に帰ってバタンキューの毎日でした」
ちなみに、長谷部とヒデは元々俊足だったが、岡崎はサッカー選手としては鈍足の部類と聞いた。20歳ごろから、走り出しの専門家のコーチを受けてダッシュが速くなったのだが、走り続ける力は中学生ごろから持ち合わせていたのだろう。岡崎に走り出し、ダッシュにおける身体の使い方を教えたのは、元オリンピック400mリレー選手杉本龍勇氏。彼は今や、吉田麻也など代表選手何人かの走り方コーチを務めているという持て様である。
今の僕はサッカーを技術や繋ぎでは観ない。中盤のボールの(組織的)奪い合いで観る。高い良い位置で奪えれば、最も良い得点チャンスができる時代だからだ。これが優勢なチームには、劣勢なチームはロングカウンターでしか勝てないから、つまらない。
補助浮きを両肩に付けた5メートル・クロールキック(これが彼のメガロス水泳教室のクラス課題で、このクラス試験に2回落第して、都合4ヶ月も無駄にしていた)ができなかったのを初めて教えていて、3日目に25メートルを2回もやり切ってしまったので、その場でこんな提案をしてみた。「浮きじゃなく、もっと上手な子のようにボードを持ってやってみる?」。「ウン」というからやらせてみたが、これも1回で25メートルをやり切ってしまった。それからの彼は、教室の様子も元気なこと! これまで4ヶ月、彼のメガロス水泳教室は一体何を教えていたのかという話である。なんせこんな子が、進級テストに2回も落第していたのだから。ちなみに僕が教えたのは,基本に返って「正しい伏し浮き」の姿勢、やり方だけ。正しく教えれば、子どものスポーツ、特に技術って、こんなにも伸びるものなのだ。
さて、少年時代に育つ技術、その柔らかさというのは、決して名選手の保証にはならない。攻守がますます激しくなった現代サッカーでは、もっと大事な条件がある。今の日本人について言えばだが、走り続けられること、強い体だ。その証明が、中田英寿と岡崎慎司だろう。高校生までは、技術は決して上手くなかった。ヒデはトラップは下手で、パスを出すよりも受ける人間だったという証言があったし、清水入団当時の岡崎は全般的に下手で、5~6番手のFWだったと聞いている。それがその後には、ヒデは当時世界一のイタリアで優勝した名選手、岡崎は世界一のイングランドに呼ばれて、奇跡の優勝チーム・レギュラーになった。2人とも身体が強く,走り続けられるのである。岡崎が、こう言ってのけたのを聞いたこともある
『この激しい当たり合いがしたくて、イングランドに来たんですよ』
ヒデも岡崎も、特に走り出しが速く、それを繰り返すことができるという特徴を持っている。そしてここが肝心なことなのだが、走り続ける能力、心肺機能は中学生以降には鍛えにくい。つまりその後では手遅れ、世界には通用しないのである。ちなみに、強い身体の方は、高校生以降、20歳過ぎても鍛えられる。
長谷部誠が世界に知られた選手になれたのも、彼の渡独1年目にマガトという良い監督に鍛えられたからだ。長谷部のこんな話を読んだことがある。
「1年目は、マガトの軍隊式体力トレーニングばかり。即家に帰ってバタンキューの毎日でした」
ちなみに、長谷部とヒデは元々俊足だったが、岡崎はサッカー選手としては鈍足の部類と聞いた。20歳ごろから、走り出しの専門家のコーチを受けてダッシュが速くなったのだが、走り続ける力は中学生ごろから持ち合わせていたのだろう。岡崎に走り出し、ダッシュにおける身体の使い方を教えたのは、元オリンピック400mリレー選手杉本龍勇氏。彼は今や、吉田麻也など代表選手何人かの走り方コーチを務めているという持て様である。
今の僕はサッカーを技術や繋ぎでは観ない。中盤のボールの(組織的)奪い合いで観る。高い良い位置で奪えれば、最も良い得点チャンスができる時代だからだ。これが優勢なチームには、劣勢なチームはロングカウンターでしか勝てないから、つまらない。