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ベネズエラ「政権転覆策動」(3) ブラジルで「これはクーデターだ」    文科系

2017年05月17日 11時15分53秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ベネズエラとともに南米で政変推移が注目されてきて、去年政権が転覆されたのが、ブラジル・ルセフ政権。それも、チリと同じように、政権中枢内部にもクーデター派がいました。チリで大統領殺害によって転覆されたアジュンデ政権の後に大統領になったのは、悪名高きピノチェト。彼は、執拗なアジュンデ反対派が多かった軍部の中では、海軍幹部達と並んで政権支持派の将軍と言われてきた人物。政権が転覆した途端に本性を現して大統領になった訳です。つまり、その内部から政権を攪乱し、崩壊目指していたということ。政権内部の中枢にいるスパイだった訳で、これでは政権は潰れます。なお、チリのこの事情については、記録映画「チリの闘い」を昨年10月21日にここで紹介しましたので、ご参照下さい。エントリー右欄外の今月分カレンダーの下にある「バックナンバー」年月欄で「2016年10月」をスクロール・クリックすると、すぐ上のカレンダーが10月分に入れ替わりますから、その21日をクリックして下さい。エントリー本欄が2016年10月21日だけの物に替わりますので、「チリの闘い」を探して、お読み願えます。この後のアジュンデは、「毒を喰らわば皿まで」というのか、チリの左翼を大量虐殺して死ぬ間際になって告発されました。そんな人生こそ歩みたくないものという典型人物です。

 さて、去年のブラジルも同じこと。だから「これはクーデターだ」と。それも政権中枢内部にスパイがいたクーデター。果て、そのスパイとは?


ブラジル・ルセフ大統領が弾劾裁判で失職「これはクーデターだ」一体どういうこと?

ブラジルの上院議会は(2016年)8月31日、政府会計を不正操作した背任罪で職務停止となったルセフ大統領の弾劾裁判を採決し、有罪61、無罪20の賛成多数でルセフ氏の罷免が決まった。ロイターなどが報じた。

ルセフ氏の罷免に伴い、ミシェル・テメル副大統領が大統領に昇格する。任期は、ルセフ氏の残り任期となる2018年末まで。弾劾裁判で大統領が罷免されたのはブラジル史上初めて。1992年に当時のコロル大統領も汚職疑惑で弾劾裁判にかけられたが、採決の直前に辞任している。

ルセフ氏は公邸で会見し、「テメル氏らはクーデターで権力を手にした。私は何の不正もしていない」と述べた。一方テメル氏は「国民のために公共の利益を促進する」と宣誓した。

BBCによると、ルセフ氏は軍事政権時代に左翼ゲリラとして活動し、国家反逆罪で3年間投獄されたのを経て、82年に政界入りし、リオグランデ・ド・スル州のエネルギー通信相を務めた。2001年には左派・労働党のルラ大統領政権で鉱業エネルギー相、官房長官を歴任した。2010年ルラ大統領の後継者として大統領選に出馬し、決選投票でセラ元サンパウロ州知事を下して当選。2011年1月、ブラジル史上初の女性大統領に就任した。

しかし、ルセフ氏が取締役を務めていた国営石油企業ペトロブラスの汚職疑惑で、ルラ元大統領らが訴追された上、2015年の経済成長率がマイナスとなるなど経済の低迷し、支持率が急落。ルセフ大統領も、社会保障費を捻出するために財政赤字の会計を不正操作した背任罪に問われ、5月12日に 弾劾裁判の開始が可決され、180日間の職務停止処分となった。

大統領に昇格するテメル氏は、中道右派の最大政党ブラジル民主運動党(PMDB)の党首。レバノン移民2世で、下院議長を3回務め、過去20年の大統領と協力して連立政権に加わるなど政治経験は豊富だが、ルセフ政権の支持が低下すると連立政権を離脱し、後継の大統領を狙っていた。しかし、世論調査で「大統領にふさわしい人物」として支持したのはわずか2%程度で、国営石油企業ペトロブラスの汚職疑惑でも名前が浮上している。ルセフ氏の職務停止に伴い大統領代行に就任したが、暫定政権の閣僚23人全員が白人男性で、女性や黒人が1人もいなかったことから批判を浴びた。』


 以上は、ハフィントンポストのニュースで、この真偽とかの解釈は読者各人にお任せします。ただし、チョムスキーの著作など僕の長年の中南米観測では、ここの全てが事実。そして、チリ以降の南米の政権転換には、アメリカと左翼のつばぜり合いが絡んでいることが確実と愚考してきました。ちなみに、南米における「解放の神学」と呼ばれたカトリック一派も、アメリカに抵抗してきた長い歴史があります。これだけ人気が高かった大統領を国内勢力だけで仕留めることなど、到底出来ないとも愚考します。この当該副大統領が大統領になって、このとてつもない不人気というのがまた、その証拠になります。「国民は知っている」、「チリと同じように、ブラジル上層部とアメリカとが結びついた画策」ということなのでしょう。


 ベネズエラといいブラジルといい、長い目で見るならば、南米におけるアメリカ人気の凋落は、イスラム世界と同じでしょう。ブレーキが外された坂道の車。トランプの「国内重視」も、そんな「やり過ぎ」の結末という所から来ている。アラブ相手にも、国連安保理拒否権をイスラエル絡みでアメリカは何十回使ったやら。
コメント (9)
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