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九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

「国際比較なら日本が最悪」政治を美化するやり口?  文科系

2023年07月28日 17時53分53秒 | 国内政治・経済・社会問題
 今朝の新聞を見てとにかく驚いたのが、このニュース。大見出しは、
『最低賃金1000円台 最終調整、全国平均 上げ幅最大』

 前世紀末頃には世界有数であった日本の平均賃金が、この20数年の間に国際比較でどんどん下がって来て、今や30数位。台湾にはとっくに、韓国にも3年前に抜かれたのは、知る人ぞ知る話。その最大原因が、21世紀になって株主資本主義が世界的に急増させてきた不安定労働者らの最低賃銀をこの日本ではちっとも上げなかったこと。とっくに1000円を超えた韓国などに対して、日本では微々たる上がり方を繰り返していたのである。これは、正規労働者組合・連合を含めた日本労使の長年の談合による政治産物なのだ。

 こうして守られてきた「日本の低すぎる最低賃金」を今日のニュースではこう描いて見せる。
『最低賃金(時給)を全国加重平均で一千円台に引き上げる方向で最終調整に入った。引き上げ額は39円(約4%)以上で、過去最高額となる。異例の物価高で家計が厳しくなっていることを重視した』
 こんなのは、長年の苛政結末を今やっと正し始めた段になって、国民に『恩に着せる』やり口と言うもの。正しい見出しを書けばこういう記事にしかならないのだから。
「先進国最低の最低賃金を、今になってとうとう、やっと正す『方向』?」

 この国際比較パート賃金の安さこそ、結婚対象に選ばれぬ男性の急増、望む相手が見つからず結婚を諦めていく女子、こうして孫の居ない老人も無数と、酷い少子化の最大原因になってきた世界有数の苛政の源なのである。それをやっと正すのを、「過去最高額」と逆に善政のように描いてみせるやり口である。

 失業者問題でも、「完全失業率」と名付けられた調査だけに努めて来て、「家事見習い」とか「ほぼ諦め老人」とかは調べもしない日本である。ちなみに、韓国では、潜在失業者までも調査して来た。
 自公政権のやってきたことはこんなのばかりとも言える「政治賛美」のやり口なのだろう。「原発事故はアンダーコントロール、東京五輪は安心して・・・」という、世界向けの大嘘。こんなだから「汚染水」が今も疑われているわけで、これは「狼少年」の罪と言える。長期保守党政権が成り立っているのは、こういう宣伝、特に選挙向け宣伝にだけは励んできたからじゃないか。逆に、だからこそ大嘘つきの長期政権首相の死を国葬にできたのだ。と言うこの「国葬」自身がもう、大嘘!
 

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日本政治の国際比較評価  文科系

2023年07月20日 00時15分30秒 | 国内政治・経済・社会問題
 一国の政治評価って、観点が問題になって、難しい。が、日本国憲法が国民の三大義務とする三点の国際比較は相応しいものの一つだろう。つまり、教育、勤労、納税の国際比較である。教育については、一例「世界トップ論文数の国際比較」があるし、教育と勤労にまたがるものとして相対的貧困家庭数とか給料の比較、失業率比較などが思い浮かぶ。納税については一般的な税率の他に、高速道路料金、住宅建設費なども「税金問題」に含まれるはずだ。これら総ての善悪を左右する存在は国家しかありえないから、以上を見て、国家政治の善し悪しを探ってみようというわけだ。

 今年、文科省から自然科学22分野で18~20年度に引用されることが多かった世界トップ論文の国際比較が発表された。トップ10%本数で日本は1981年以来初めて世界10位内から脱落して12位、スペインや韓国にも追い抜かれたとのこと。トップ1%に限れば、1位の中国4,744本、2位アメリカ4,330本に対して、日本は10位で324本に過ぎない。
 なお、教育予算比較では、OECDのこんな国際比較もある。
『日本は、OECD加盟国の中で、GDPに占める教育支出の割合が最も低い下位25%の国に入る。2018年時点で、OECD加盟国では平均してGDPの4.9%が初等から高等教育段階の教育機関に充てられたのに対し、日本の場合、その割合は4%であった』

 教育(と貧富との世襲)にも勤労(報酬)にも結びつく相対的貧困家庭(率)はどうか。可処分所得の中央値の二分の一以下とされた家庭の率なのだが、23年に発表された20年の先進国順位数値で日本は12位、G20国順位を拾ってみると悪い順で日本は5位となり、これより悪いのは1位の南ア、2位ブラジル、7位メキシコ、9位のアメリカだけだった。G20国で韓国、トルコ、ロシアよりも貧困家庭率が多いのである。
 この点では、日本がアメリカと同じ格差が広がる、不安定雇用者依存の経済政策を採って来たことが第一の原因だろう。こういう政策が強められてきた結果、日本の平均給与国際順位はどんどん下がって、今や先進36カ国中21年度年収比較で、24位まで落ちてしまった。参考としてお隣の韓国は20位である。
 これら低所得を招いた経済政策の結果、結婚相手に選んでもらえない低所得男性が多くなって、男性の半数は子どもなしという国に向かっていると言われるようになった。これに呼応しているのが、望む相手に出会えぬままに結婚を諦める女性で、私たちの周囲にどんどん増えていると分かる。と、「この低収入こそ少子化原因」という点について、当ブログ拙稿で度々報告してきたところである。

 最後に、国民三大義務のうち、税金の政治結果を見てみよう。一般の税率は他国比較で決して高くないようだが、日本にはこんな「隠れた税金」が存在している。まず、高速道路料金。次いで、住宅取得の消費税である。
 まず高速道路料金だが、他の高い先進国に対しても先ず二倍と、ずば抜けて高い。日本がキロ当たり24.5円なのに、他国はこうである。原則無料が、米、英、独、カナダなどを筆頭に、世界80%の国々。高い国を拾ってみても、スペイン14.3円、フランス13.0円、韓国9.6円、イタリア9.1円、中国9.0円などである。都市高速などの使用機会は凄く多く、低所得者にとっては年間所得税を優に超える年間高速料金総額になる家も多いはずだ。高速道路料金とはこうして、低所得者から税を取り立てているという、累進課税とは正反対の酷い政治をやっているということである。
 次に住宅取得だが、すべての住宅購入で消費税を取っている日本のような国はとても少ない。住宅は「消費財」ではなく必要な「資産」という考え方が背景にあって、米英では無税、他も新築以外は税なしとかの国が多いのである。住宅取得時の消費税10%分は、その家の所得税に直したらその何年分になることだろう。これも低所得者にはとても重い税になる。

 こういう低所得者にはとても重い日本の税に対して、現在世界で大問題になっているのが金融所得税。日本を含めた世界有数の稼ぎ手たちが実質猛烈な脱税が出来る仕組が存在しているのである。


 さて、このような政治を行ってきた保守党政権が10年以上も易々と続いてきたという国もまた、先進国では希有なのではないか。民主主義の柱とも言うべき「弱者に優しい」から最も隔たった政治と言えて、それだけ民主主義が機能していないということになる。
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予告、日本政治の全面的悪さを描く  文科系

2023年07月19日 20時11分25秒 | 国内政治・経済・社会問題
 これは明日ここに描くことの予告文章である。かねてから僕の望みだった標記のこと、この仮説を証明すべく、この間いろいろと勉強してきた以下のことを明日描き出したい。

 一国の政治評価って、その観点が問題になって、難しい。が、日本国憲法が国民義務として要求する三点の国際比較はこれに相応しいものの一つになろう。憲法が義務として国民に要求している国の存立・盛衰基盤について、政治の結果がどうなっているかという観点である。つまり、教育、勤労、納税の国際状況比較である。

 教育については、一例「世界トップ論文数の国際比較」があるし、教育と勤労にまたがるものとして相対的貧困家庭数とか給料の比較、失業率比較などが思い浮かぶ。税の軽重については一般的な税率の他に、高速道路料金、住宅建設費なども「税金問題」に含まれるはずだ。

 これら総ての善し悪しを左右する存在は国家しかありえないからこそ、以上すべてを見て、国家政治の善し悪しを探ってみようという趣向だ。

 明日、よろしくここをごらん下さるようお願いしたい。


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安倍晋三の仲間たち  文科系

2023年07月10日 10時19分11秒 | 国内政治・経済・社会問題
  安倍晋三の仲間たち  
 書評「安倍晋三の正体」から③ 文科系



 安倍晋三がこういう人物なら、その下に集まる人々は当然、似た者。人としての中身が薄く、「成り上がり願望」蠅ばかりが集ってくることになるのか。彼の人選、彼を持ち上げる人々をこの本はいろいろ紹介している。

 まず、彼が任命した閣僚たち。
『二〇〇六年九月、第一次安倍政権が発足。
 同年一二月二八日、規制改革担当相の佐田玄一郎が、虚偽の政治資金収支報告書を提出していた件で辞任。
 二〇〇七年三月七日、農林水産相の松岡利勝が、議員会館では無料の光熱水費を五年間で二八八〇万円計上していたことが発覚。その後、五月二八日に赤坂議員宿舎で首吊り自殺。
 同年六月三〇日、防衛相の久間章生が、「戦争を終結させるためには(原爆投下は)しょうがない」と発言し、七月三日に辞任。
 同年七月七日、農林水産相の赤城徳彦の政治団体が、事務所としての実体がない実家に約九〇〇〇万円の経費を支出。八月一日、辞任。
 同年九月三日、補助金不正受給の問題で、農林水産相の遠藤武彦が辞任。
 同年九月一二日、安倍はいきなり政権を放り出す。・・・・正常な人間なら、「お仲間だけ集めたらまずい」と反省するのだろうが、安倍に学習能力はなかった。
 「任命責任は私にある」と繰り返しながら、さらに暴走を続けた。』

 と、こうして第二次内閣でも、以下の通りで引責辞任続出であったことをこの本は語っていく。
 公職選挙法違反の松島みどり法相。政治資金規正法違反の経済産業相・小渕優子。政治献金問題で西川公也農水相内閣府特別担当相の甘利明は金銭授受疑惑。復興担当相・今村雅弘が「東北で良かった」で辞任。防衛相・稲田朋美もPKO日報隠蔽問題、五輪相・桜田義孝は失言問題、河井法相法相が公職選挙法違反。
 
  以上すべての辞任劇に於いて、超有名になった「任命責任は私にある」を連発しつつも何も責任を取らなかったからというわけで、著者は「究極の無責任男」と呼んでいた。


 そして、この本のお友達紹介として最終章末尾で締めになっていたのが、NHK安倍親衛隊でお馴染みの岩田明子の、「安倍は光の人」賛美だった。
『 《 二〇一三年にモンゴルを訪問した際、同国政府の計らいで、郊外に星を見に行くことになった。雨が降りがちな地域で予報も雨だったが、安倍氏が現地に到着した瞬間、雲が切れて夜空に満天の星が広がった。梅雨のシーズンに開催された伊勢志摩サミットや、ほかの外遊でも同様のシーンがよく見られた》(「ZakZak」二〇二三年四月六日)』
 この「光の人」関連で、安倍ご本人の言動自身が紹介してあったのでお一つ。二〇〇九年、崇教真光の教団本部大祭でこんな祝辞を述べているそうだ。
『安倍は「神組み手の末席に名を連ねさせていただきました」とも発言。教団によると「神組み手」とは信者のことである(「FRIDAY」二〇二二年八月一九・二六日号)』
 


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所属大学の安倍晋三評価   文科系

2023年07月09日 21時35分56秒 | 国内政治・経済・社会問題
  所属大学の学生・安倍晋三評  
 書評「安倍晋三の正体」②

 この本から、所属大学の安倍晋三評を紹介してみよう。「安倍の母校である成蹊大学の元学長で国際政治学者の宇野重昭」、および「留学していた」とホームページに載せていた南カリフォルニア大学の評である。

『 安倍君は保守主義を主張している。それはそれでいい。ただ、思想史でも勉強してから言うならまだいいが、大学時代、そんな勉強はしていなかった。ましてや経済、財政、金融などは最初から受け付けなかった。卒業論文も枚数が極端に少なかったと記憶している』
『 《安倍君には政治家としての地位が上がれば、もっと幅広い知識や思想を磨いて、反対派の意見を聞き、議論を戦わせて修正すべきところは修正するという柔軟性を持ってほしいと願っている》(以上、野上忠興『安倍晋三 沈黙の仮面』)』

 次は、安倍がかつて「南カリフォルニア大学政治学科に留学」と記していたので、当時この大学の広報担当者に確認を取ったところ、こんな答えが返ってきたと、紹介してあった。
『《シンゾウ・アベは78年の春期、夏期、秋期のみ在籍しています。その間は本学の正規の学生ですが、専攻はまだありませんでした。取得したコース(講座)は全部で六、そのうち三つは〝外国人のための英語〟です。政治学は入っていません。一コースは四単位ですから取得単位は二四。卒業できる数字ではありません》(「週刊ポスト」二〇〇四年二月一三日号』

 学生時代には、政治家になろうなどとは考えていなかったのだろう。なるつもりだったなら、こういう「学歴」は恥になると、普通の人間なら考えるはずだ。以降さぞ猛烈に政治学、経済学などを勉強したのだろうか?

 
(以上を送ってからの追加お知らせ)
  彼は多分この後も政治の勉強をしなかったのだ。その証拠を当ブログに僕は書いている。以下のエントリーを参照されたい。
『 安倍晋三氏は政治教養がない 2022年02月22日 』
 これの出し方は、こうする。右欄外今月分カレンダーの下「バックナンバー年月」をスクロールして2022年02月をクリック。すると、直上のカレンダーがその月分に替わるから、その中の22日をクリック。これで、エントリー欄がその日の原稿だけに替わり、該当のものがお読み願えます。






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書評「安倍晋三の正体」(祥伝社新書)   文科系

2023年07月08日 10時57分59秒 | 国内政治・経済・社会問題
 作家、適菜収(テキナオサム)が書いたこの本の内容を紹介したい。この全10章は、安倍について僕が思っていた以上の事をいろいろ教えてくれる。何回かに分けてぱらぱらと書くつもりだが、この第一回目は作者自身による「本書の構成」を転載する。

『本書では、テーマごとに、安倍という男の正体を明らかにしていく。
 第一章では極めて特異な人間が総理大臣になり、その政権下で一気にわが国が解体された理由について説明する。背後にはアメリカの世界戦略変更とわが国の知的基盤の崩壊がある。
 第二章では外交問題を扱う。対米、対ロシア、対韓国、対中国、対北朝鮮・・・。安倍は外交ですべて失敗し、全方位売国路線を突き進んだ。(中略)
 第三章では経済を扱った。(中略)
 第四章では安倍の政治観を検証した。安倍は保守を自称しながら、保守の対極にあるような政策を一貫して打ち出した。ここでは、いかがわしい勢力、偽装保守が政権中枢に食い込んだ理由も説明する。
 第五章では安倍が垂れ流した嘘・デマを検証した。にわかには信じがたいものが多いが、そこを確認すれば、総理大臣が嘘やデマを流したというより、職業的デマゴーグが総理大臣をやっていたという事実が明らかになる。
 第六章では安倍のバカ発言の数々を振り返った。バカがバカを担いだ結果、日本はバカな国になってしまった。
 第七章では安倍に関する一連の事件を取り上げた。安倍は追及から逃げ回り、結局何ひとつ解決しなかった。
 第八章では安倍と反社会勢力・詐欺組織・カルト宗教の関係を扱った。
 第九章では安倍の歴史観を検証した。その歴史観は極めて幼い。そもそも歴史を知らないので、議論は成立せず、妄想だけが暴走した。
 第一〇章では安倍の憲法観を取り上げた。改憲によって安倍が何をやろうとしていたかを示す』


 安倍という人間の質は、普通の言語能力と人間認識とを持っている大人なら、その国会答弁や態度を少し見聴きすれば分かるものだ。嘘、逃げ、誤魔化し、果ては恫喝・・・。が、この本ではそれ以上のことが「これでもか」と描き出されている。

 以降、彼が実際に発した言葉など、いろんな歴史的証拠をこの本からここに紹介していくつもりだ。こういう総理大臣の下でこそ、日本国家がここまで劣化したのである。
「国境なき記者団」発表の「報道の自由度」が、2010年には世界11位だったが、2016年には72位まで下がっている。嘘の政治を保守すべく、いろんな事を隠し、誤魔化す政治体制になっていったからだろう。中でも、国家基幹統計の改竄はこの間の国家実態を取り返しの付かぬ暗黒部分にしてしまった。国家基幹統計の政治における重要役割を理解できない頭脳の持ち主だったのである。「国家基幹統計に永遠の暗黒部分を作った日本国総理大臣」。
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福島原発「保安院の大罪」を振り返る  文科系 

2023年06月23日 07時56分56秒 | 国内政治・経済・社会問題
 福島原発事故汚染水放流問題が世界を騒がせている今、改めてこの問題を振り返ってみたい。日本原子力ムラ政治が、子どもらの甲状腺癌問題などを沈静化させることができても、外の「信用できぬ」と言う声は抑えられない。このブログで過去に書いた「この問題性のまとめ」四つの内、その第一、二番目を転載してみよう。


『 保安院の大罪(89) 「フクシマ」、悪行一覧表(1)  文科系
2012年11月12日 09時46分56秒 | 

 福島原発「事故」。これは同じレベル7のチェルノブイリと並べてこの世界に30年に一度もなかった大事故ということになる。人類の悪行も軽重、多種多様いろいろだが、これだけの悪行も戦争のない日本ではちょっと少ないという、そういうまとめを記しておきたい。あまりにも楽観的かつ断片的な擁護論などが巷にばらまかれすぎると考えていて、ここまでの拙稿「保安院の大罪」をざっと見直してきた、その末の産物だ。
 事故と言って済ませられない戦争にも匹敵するような意識的悪行、未必の故意と言える側面が存在すると思う。どれだけ多くの人々が故郷や家財を奪われたかとか、被爆地から避難所に立ち退きを迫られて命を縮めた人々の多さとか、予想される後遺障害の深刻さとかは、戦争を思わせる。また、この原因・背景に思いを馳せるなら、国権の最高機関国会が選んだ国会事故調査員会が「この事故にはいわゆる『規制の虜』が存在していた」と断言していることに注目すべきだろう。「規制の虜」、つまり原子力村への「規制側」の嘘、隠蔽、そういう世論工作などには、事故と言って済ませることができない犯罪的側面も多かったのではないかということだろう。事故以降無数に起こった嘘・隠蔽による事故の拡大などがまた、これを何よりも傍証していると思う。
 人の過失、未必の故意、犯罪などには軽重がある。権力者のそれはいかに重大なものになるか。政治がだらしない今、是非忘れてはならぬ事だと思うのだ。

1 直接の害悪の数々
①無数の人々の故郷や家財を奪った。子どものいる家庭には、「成人するまでは帰れない」と決意している人も多いだろう。
②避難生活を強いられた家族の多くの高齢者、病人などが、その命を縮めた。
③スピーディの非公開で浴びなくても良い放射能を浴びた人々も多い。
④後遺障害予測について、半減期の短い放射性物質や、線量が低くとも出る晩発性障害とかのことがほとんど論じられていない。
⑤高濃度汚染水を垂れ流した。これが海に沈んで、今でも高濃度汚染魚類が北20キロとかの遠隔地からさえ揚がっている。
⑥地下水汚染のことも、害の質、大きさが分かるのは遙かに遠い先の話だ。
⑦この垂れ流しについて、過失の度合い、つまり確信犯かどうかさえも、なにも明らかにされていない。
⑧吉田所長の「水蒸気爆発だ!」というテレビ画面音声も、その後きちんと訂正なり、追求なりの処理がなされたとは聞いていない。
⑨この水蒸気爆発は、毒性の高いプルトニュームMOX燃料を使った3号機についてのことであり、水素爆発よりも遙かに遠くまで重い物質を飛ばすから、極めて重大問題なのである。ちなみに、テルル132などという金属製の重い放射性物質が、7キロ先の浪江、大熊、南相馬まで飛んでいるとも報道された。』


『 2 事故処理経過での「失敗」とか「工作」とか
(11月13日掲載分です)

今回の一覧表は事故処理経過における数々の「失敗」とか「工作」とかをあげてみたい。こんなに違う2つの言葉を並べなければならぬのは、こういうことなのである。福島の事故処理経過を観ていくと、失敗なのか確信犯つまり隠蔽などの工作なのか、その区別が全く付かないのである。単なる天災のようなものならば、こんな執拗に僕も追わなかったろう。「失敗と言い合わせてはいるものの実は確信犯」ばかりに見える。こんな重大事故処理にあまたの頭脳が関わっていて、失敗と言うには単純すぎることばかりが目立ち過ぎるのである。すべてが責任回避とか、ガス抜きのように思えて、あまりにも国民を国民と扱っていないような無責任な政治ばかりが目だって、どんどん腹が立ってきたのである。

①スピーディの非公開は、北西方面に逃げた人々に多大な放射能を浴びさせた。該当町長の一人が、「これは殺人ですよ!」という有名な言葉をのこした事件である。国の責任者は後にこう述べている。「公開という考えが及ばなかった。反省している」。
 ところで、中日新聞がこの2月頃情報公開請求で入手した文科省資料にはこんな文章があったと報道された。
『文書には「世界版SPEEDIの試算結果は、関東および東北地方に放射性雲が流れるという結果。これらをみて、三役(文科相、副大臣、政務官)は一般にはとても公表できない内容であると判断」と記されている』

②高濃度汚染水の垂れ流しも過失ということになっている。それも、こともあろうにこんな言い訳が開陳されたものだ。海への流出口の目視箇所が瓦礫に覆われていて長く気付かなかった、と。これらの「失敗」が、最近の次の報道の大元になったのは間違いないだろう。原発から北20キロも遠くでとれた海底棲息魚などの放射能濃度が一向に下がらないのである。
 昨年5月13日の拙稿を抜粋する。
【 以前2号機が高濃度汚染水を垂れ流しにしていたと、大問題になったことがある。ところが、その2号機の垂れ流し目視点検が、4月20日で打ち切りになったのだという。そして酷いことに、こんなことが書いてあるではないか。
『福島第1原発3号機から11日、高濃度の放射能に汚染された水が海に流出していることが分かり、ほぼ同じ状況で流出した2号機の二の舞となった』
『11日昼に作業員がこの立て坑に水が流れ込んでいるのを見つけた。水位は上がっておらず、近くの海に漏れ出していると判断した』
 そして、今回の何よりも唖然とした話が、こうだ。
『3号機の立て坑は開口部にがれきが積み重なった状態で、11日に取り除くまでそもそも目視確認を一度もしていなかったことも分かった』 】
 一体この高濃度汚染水垂れ流しは、、いつから5月11日まで続いていたのだろうか。

③福島県立医大の副学長が本年1月、日本甲状腺学会会員の医師にこんな文書を出したらしい。
【2次検査の対象にならない子どもの保護者からの問い合わせや相談には「次回の検査を受けるまでの間に自覚症状が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明いただきたく存じます」】
 これは、事故時18歳以下であった子ども36万人対象のうち、線量が高かった警戒区域13市町村、38,114人の子どもの検査結果発表にまつわるものである。チェルノブイリに詳しい医師などから大きな反論を喰らった文書だった。
 被爆児童の甲状腺追跡をなるべく福島だけに囲い込みたいということなのかなどと、勘ぐりたくなる。

④これは最近のことだが、「東北地方計約700カ所の放射能測定ポストすべてに10%ほど測定値が低くなるような過失があった」と報道された。原因は、計測器組み立て方のミス。なんでも脇に置いた電池関連の鉛が一部の周辺放射能を遮っていたというのだ。個人などの測定値に比べるとあまりにも数値が低いと話題になったところから調査、発見させられた「ミス」ということであった。10%低かっただけとは誰にも信じられていないのが、悲喜劇的な光景に見える。

(この項2は、⑤以下まだ続く) 今回の注。この後、2012年11月15,17日と続いて、終わっています 』


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日英でこの大差、「国会尊厳と嘘答弁」  文科系

2023年06月17日 08時30分16秒 | 国内政治・経済・社会問題
 英国BBCのジョンソン元首相裁き文章を読んだ。日本とは、何と大きな差があることか。安倍首相は国会で何百回も嘘答弁をした。それも、森友問題だけではなく、桜の会や加計問題でも十分すぎる程の嫌疑がある。それでも国葬された希な政治家となった。日本の国会の尊厳が吹っ飛んでしまっている証になるのだろう。流石、議員の2世、3世の高給就職口になっている「国権の最高機関」というだけのことはある、のかな。そういう3世である安倍の功績は、そういう高給就職口を長く長く守ったこと? 「いー加減にセイ」と言いたくなる。

『 何ということだ。英下院特別委員会が公表した報告書は、広く深く、ボリス・ジョンソン元首相の人格と品行をとことん非難している。

 率直に言おう。ジョンソン氏がうそをついたと、この報告書は断言している。特別委は15日、新型コロナウイルス対策のロックダウン中に首相官邸などでパーティーが開かれた、いわゆる「パーティーゲート」に関する調査報告書を公表した。報告書は、ジョンソン元首相がこの問題をめぐる答弁で「議会を故意にミスリード」していたと結論し、90日間の議員資格停止処分に当たるとした。(以下中略)

 わずか40週間前、ジョンソン氏はイギリスの首相だった。議会で圧倒的過半数を持つ政府のトップだった。その後、まずは閣僚席を追われ、一般議員が座る議場の後方席に追いやられた。そして、今や議会からも退場した。
 ジョンソン氏のキャリアは、同僚議員たちによって残酷なほどあっという間に解体された。今日のこれは、パンデミック中のパーティーだけに限った問題ではない。公職者の行動の、そして社会全体の根幹をなす、根本的な支柱のありようが問われているのだ。品行、ふるまい、信頼性、一貫性。真実を神聖視すること。うそを軽蔑すること。』

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ある還付金詐欺、その手口   文科系

2023年06月06日 02時55分35秒 | 国内政治・経済・社会問題
 ある友人から詳しく聴き取った標記のことを報告したい。こんな目に遭った人は恥ずかしくて隠すから、余計にこの詐欺が止まらないと考えてきた。実際にあったこんな話を広めるのは今や一種の社会福祉だと考える。

 その友人の妻がこの5月に郵便貯金残高50万円弱を丸々取られた。夫の方が、2日間にわたる電話などを聞いていて、「詐欺だよ。やめとけ」とか、「カードと暗証番号だけは気をつけろよ」と注意していたのに、夫が知らないうちにATMに出掛けていて、帰ってきたとたんに青い顔で、「詐欺だった。郵便局と警察に行く」である。こんな手口だったそうだ。

・詐欺に遭った前日に、市の医療保険関係者を名乗って「還付金がある。申請書類を送りたいけど・・」と電話があった。
・事実この還付金を何回ももらっている時だったし、夫婦の名前までちゃんと知っていたからすっかり信じ込み、乗ってしまったと、ご本人は後で語っていた。
・電話でATMに連れ出され、電話が言うままに「『その他』を押す」などの画面操作をしていった。そのときには、還付金請求書が出てくるものと信じこんでいたのだそうだ。そして、最後に暗証番号を押した時、預金明細書が出てきて残高ゼロになっていてもうびっくりという結末。
・「還付金詐欺は知っていた」し、還付金申請書類がATMから出てくるというのもおかしな話なのだが、最後まで「申請書類が出てくる」と信じこんでいたのだそうだ。申請書請求にカードと暗証番号というのも全くおかしな話なのだが、信じ込むって恐ろしい。

 なおこのご婦人は80歳過ぎだが、国立大学を出た元高校教師で、認知症の気もない方である。

 以上、こういうのを知らせ合うのは、デリバティブやクレディ・スイスの社債のような大損を知らせ合うのと同じで、今や社会福祉であると信じた報告の積もりです。


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少子化原因、国の誤魔化し  文科系

2023年06月04日 13時39分22秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨日観たように、あの家にもこの家にも生涯未婚が増え、孫の数もどんどん減っています。ところが、関係政府機関などがこの最大原因、「男性の貧困化」(昨日エントリーを参照)をぼかすことを通じて、相変わらず誤魔化していると、関連ネットを調べていて痛感しました。こんな具合です。

 内閣府のある調査とやらの結論は、以下二つが上位原因だそうです。「適当な相手に巡り会わぬ」、「自由や気楽さが欲しい」。反論。「適当な相手」って? 何歳まで気楽さが欲しい?

 財務省の研究所とやらの調査のまとめは、大変ややこしいもので、
「・女性が働き続ける、と考える人が女性でも男性でも増えている。
・女性のうち、結婚せずに働き続けることを「理想とする人生」として選ぶ人はわずか。しかし、「実際になりそうな人生」と考える人は増えている。理想と現実のギャップが生じている。
 仕事への理解、家事育児協力、妻の仕事を望んでも協力しない男性、女性の方があいての職業や経済力を重視する」

 そして、ある結婚相談所の結論は手前味噌よろしく、「出会いがないから」。どういう人と出会いたいのかをもっと述べれば良いのに・・・・。

 また、ヤフー知恵袋においては、「草食系男子増」とか「男性の自由な生活願望」とか。草食系は子どもが要らないの?


 さて、以上の調査なるものは「ちょっと見」の表層をさわっただけ。分析を深めるということをしていません。未婚男性の貧しさが原因なのに、そこを避けたり、ぼかしたりするやり方がほとんどに見えます。真実は、昨日述べたこれです。
『最大の理由は非正規男性社員の未婚率の高さです。上の2020年の「50歳時の未婚率」(この場合の未婚とは46歳~55歳まで一度も結婚したことがないという意味です。当然、離婚した男は含まれません)でこの高さを観てみましょう。正社員の男性は19.6%なのに、非正規(派遣、パート、アルバイト)社員では60.4%と6割を超えています』

 
 


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孫が減っている、その訳  文科系

2023年06月03日 15時45分16秒 | 国内政治・経済・社会問題
 周囲の高齢者から意識して聞いてみてきたのですが、未婚の子どもがあそこにもここにも無数にいると気づきます。必然、孫もどんどん少なくなり、孫ゼロという家庭も増えています。未婚者はどれほど増え、その原因は何なのでしょう? その最大原因だけを調べたので書いてみますと、この訳が分かってきます。

 政府統計に「50歳時の未婚率」というものがあって、これが従来生涯未婚率と呼ばれたもの。算出式はこうです。「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率を算出します。そして、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2022年)」によると、2020(令和2)年の「50歳時の未婚率」は男性が28.25%、女性は17.81%でした。前回調査と比べると、男性は約3.5ポイント、女性は約2.9ポイント上昇しています。この数値から2025年を推定すると男性31.75%、女性20.71%になります。これを平たく言えば、50歳まで結婚したことがない人が、男性で3人に1人、女性で5人に1人ということです。


 次に、どんな人が生涯未婚になるのか。最大の理由は非正規男性社員の未婚率の高さです。上の2020年の「50歳時の未婚率」でこの高さを観てみましょう。正社員の男性は19.6%なのに、非正規(派遣、パート、アルバイト)社員では60.4%と6割を超えています。それも、15年の国勢調査では50.7%だったのが、20年には約10ポイント上昇したことになります。25年には7割?などと思ってしまいますね。

 さて、男性がこうだから、女性も希望する結婚相手が見つからないままに、生涯未婚率がどんどん上がっているということになります。


 ちなみに、先進国では日本と並んで、日本よりも遙かに厳しいのが、韓国の少子化と未婚率。こんな数字があります。22年の合計特殊出生率(未婚者も含めて1人の女性が生涯に産む子どもの数)が0.78人、20年の30代未婚率が男50.8%、女33.6%とありました。

 日本と韓国を並べて、少子化、未婚化を調べ、考えてみますと気づくことが色々ありましたが、これの詳細はまたの機会に。日本と韓国はともに儒教(習慣)国で、韓国の方がこの家庭文化残存度がはるかに高い。だから韓国には例えば、こんな結婚習慣があるそうです。「結婚するにはちゃんとした家ぐらい男の側が用意してくれなくっちゃあ」。そんなわけで韓国政府の少子化対策は「若者の経済的状況の改善」が第1に挙がっているのでしょう。
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野党が弱い理由  文科系

2023年04月25日 00時16分58秒 | 国内政治・経済・社会問題
 一昨日の選挙で野党が弱い理由がよく分かった思いだ。まず、千葉でも、大分でも、国民民主が立憲とともに名を連ねていれば勝てていたからである。二つが勝っていたら一昨日は自民の二勝三敗。そしてさてさて、その民主を支えているのが、連合。こうして今やこの連合は、野党分裂・弱化の元凶である。ここ数十年の日本の平均給料を先進国ダントツで下げてきた張本人でもあり、こうして「五〇歳になるまで結婚相手に選ばれなかった男性」を多く生み出して「未婚者多数社会」「少子化国」を作ったのも彼らだと言える。こんな労働組合って笑えるだけというもの。これに支えられた国民民主がいて、維新が伸びてくれば、公明とがっちり組んできた自民が強くて当たり前だ。

 ただし、維新は僕にとって敵ながらあっぱれと言いたい。関西を中心によくここまで延びてきたものだ。この躍進は現在の政治学上の研究対象とするに値するはずだ。中部圏は名古屋の「河村たかし政党」とは大違いである。

 小選挙区制の元では、野党支持勢力は、立憲に票を集めるべし。共産党ももはや駄目だとここ20年ほどで証明されたようなものだ。かなり広く存在する党内反対意見が「分派禁止規定」とやらで内部にさえ秘密にされて知らされない政党って、指導部に真の反省がなく、何回選挙に負けても替わらないという指導部を守るだけの政党になってしまった。これはやはり、民主集中制が時代に合った政策作りや党改革を遅らせて、「真の政治的能動性のない政党」にしているということだろう。旧態依然の「政策」も指導部の客観主義で凝り固まった古い頭脳の産物というしかないと思う。
 よく言われる解党的な出直しが必要なのだろう。一例、公明党を見習えば良いのだ。現国会議員がいる選挙区以外では全て立憲を自党以上ぐらいに押し上げる。政策協定などと言わず、勝手連的にでもそうする。そうして、共産がつけば立憲が当選できるという選挙区をどんどん作っていく。その暁になってやっと、立憲と一致できそうな己の政策をほんの少しずつ提起する。そんな時代に入ったらもう、自民党も連合も今のようなことは言っていられないはずなのだから、自民が政策的に立憲に近づいてくることも起こりうるだろう。
 政治とは、政治の力とは、選挙で示す力がないものは発言力もないものと、こう立憲も共産も覚悟すべきなのだと、これは政治の真理である。そして、弱者の戦略にこそ適したものとして合従連衡というのがあるが、同盟や連衡を通して弱者がその力を現実に伸ばしていくやり方なのだと言える。


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少子化対策の要諦   文科系

2023年04月01日 06時56分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
 長くうち続いた出生数減少の原因は、少母化にあると明らかになっている。給料が少なくて結婚相手に選ばれない男性が増えすぎて、希望する相手に出会えぬままに母になれなかった女性が急増しているのだ。女性の生涯未婚率、生涯無子率が急増しているからこのことが分かる。これに対して今政府がやっている政策はこういうことばかり。結婚している女性にもっと子を産め、と。専業主婦に期待しているのか、それとも共働き女性にも期待しているのか。まー、保育所政策が入っているから、両方なのだろうが。

 ところで、国民はこういうことを知っているだろうか。つい最近まで日本政府はこんな政策をとっていたのだ。
「ゼロ歳児保育、産休明け保育など金輪際認めない」
 これは「専業主婦の勧め政策」と言えるものであって、「共働き子育ての勧め」などは全く眼中になかったとさえ言えるのである。過去の保守党議員連中はそんな家庭ばかりだったのだろうと、思い込めるほどなのである。

 そして、今の政府が眼中にないのはこういうこと。今の共働きは、祖父母の助けがないとやっていられない。そもそも国会議員連中はこういう事実を知っているか。「新幹線婆」「飛行機婆」。新幹線や飛行機で、関東などの共働き子育ての緊急時に、助っ人に駆けつける爺婆を指している。離婚も増えているから、その後のワンオペではこれがないとどうしようもないのであると、そんな実態なども見えているのかどうか。
 

 こうして、少子化対策順位は、こんなふうになっていく。
・社会の給料を増やしなさい。
・労働時間を短縮しなさい。
・共働きも奨励する政策をやりますと、改めて言いなさい。

 これらこそ、ここ数十年の日本が世界先進国に後れを取ってきた国家社会の最大特徴なのである。女性の社会進出が最も遅れていることが、こういう国家社会の象徴とさえ言えるのである。
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政治悪名が後世に残る、21世紀初頭日本  文科系

2023年03月30日 15時47分07秒 | 国内政治・経済・社会問題
 この20年ほどの日本は、その政治悪名が歴史に残る時代になると思います。以下にその状況、理由を描いてみますが、要するに子も孫も持てぬ人々が急増しているということです。今や、「生涯子を持てぬ男性が、近く半数になる」という社会学者もいるんです。

・何よりも、かつてない出生数減少と小国化。この小国化はよほどのことをしない限り取り返しが付かぬ状況になっています。30年も出生数が急減してくれば、近く若者になってくる国民自身が少なくなっているのですから。

・その直接的理由は、若い男女が結婚も子どもも望んでいるのに、それを諦めて来たということです。

・さらにその原因は、結婚相手に選んでもらえない男性が急増したこと。これを女性の側から観れば、望む収入の結婚相手に出会えないでいるうちに、結婚を諦めて来たということです。

・さらにその原因は、20世紀末の住宅バブル以来、日本の給料が先進国では珍しく上がっていないこと。就職氷河世代を筆頭に、実収入は下がって来たということなどです。


 さて、上記のような状況がありながら、その間の最長政権が、こういう現実自身を隠す言論統制をやってきたという証言も多いうえに、「第一に、なによりも、国家社会を愛せよ」という政治をやっていました。僕にはなんとも皮肉に思えますが、皆さん如何? 子や孫がいてこそ将来日本も大事に思えてくると、それで人類国家社会は続いてきたと、こう語るのは言い過ぎになるでしょうか。

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「少子化」に、また新たなごまかし  文科系

2023年03月20日 01時51分02秒 | 国内政治・経済・社会問題
 ネットを見ていたら、少子化問題で新たなごまかしが始まったようだ。昨日のネットに「現代ビジネス」名でこんな記事があった。

『真因は出産期(25~39歳)の女性の減少なのである。これまでの出生数減によって起きている構造的問題であり、政策では如何ともしがたい』

  この女性減少原因説は誤りである。結婚していない女性の激増がそれを証明している。これには「生涯未婚率」急増という数字が別にあって、これに呼応する「生涯無子率」も急増しているという現実と併せて、このごまかしに対置したい。いずれも、50歳で未婚および、子無しという定義なのだが、日本の場合は「未婚=子無し」がほとんどだから、生涯無子率とは、既婚で子無しを未婚に足したものになる。

 女性のこういう「生涯未婚率」が急増しているからこそ、「生涯無子率」も大幅に増えてきたとはっきりしている日本の現状で、「女性の数が少なくなったのが少子化の最大原因だ」と叫んでみても無意味に近いことである。

 ちなみに、この生涯未婚者とは、不本意未婚が4割以上という統計数値も別に存在する。
 少子化問題とはこうして、不本意な婚姻減が最大原因になっているということなのだ。結婚できるような雇用、給料こそ問題ということである。
 日本は、結婚相手に選ばれにくい男性が増えた結果、女性の未婚者も多くなっているのだ。つまり少母化原因説が正しい。
 「結婚を希望していた女性が、望む男性に出会えないでいるうちに婚期を逃して、やがて諦めていく」

 ちなみに、以上拙稿諸概念の出典はこれである。プレジデントオンラインにのった荒川和久氏の「男性の2人に1人は子を持たず生涯を終える・・・岸田首相は『まもなく日本を襲う過酷な現実』が見えていない」


 最後になったが、子どもらの不本意未婚故に孫を持つという当たり前のことができていない老人が無数になっているはずのこの日本、この時代において、こういう老人たちはなぜ「我が子らのこの窮状」に思いをはせられないのだろう。なぜ、政権党を支持してきたのだろう。一馬力でもなんとか子どもを大学にやれた自分らの時代と比較しないのだろうか。不思議で仕方ないのである。
 もっとも、孫が生まれても二馬力で髪振り乱して働かざるを得ない今の日本では、僕の周囲のどの祖父母も子と孫のために東奔西走せざるを得ないのであるが。新幹線や飛行機で、首都圏の子ども家庭を度々助けに行く「祖父母」がどれだけ多いことか! 


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