ネットを見ていたら、少子化問題で新たなごまかしが始まったようだ。昨日のネットに「現代ビジネス」名でこんな記事があった。
『真因は出産期(25~39歳)の女性の減少なのである。これまでの出生数減によって起きている構造的問題であり、政策では如何ともしがたい』
この女性減少原因説は誤りである。結婚していない女性の激増がそれを証明している。これには「生涯未婚率」急増という数字が別にあって、これに呼応する「生涯無子率」も急増しているという現実と併せて、このごまかしに対置したい。いずれも、50歳で未婚および、子無しという定義なのだが、日本の場合は「未婚=子無し」がほとんどだから、生涯無子率とは、既婚で子無しを未婚に足したものになる。
女性のこういう「生涯未婚率」が急増しているからこそ、「生涯無子率」も大幅に増えてきたとはっきりしている日本の現状で、「女性の数が少なくなったのが少子化の最大原因だ」と叫んでみても無意味に近いことである。
ちなみに、この生涯未婚者とは、不本意未婚が4割以上という統計数値も別に存在する。
少子化問題とはこうして、不本意な婚姻減が最大原因になっているということなのだ。結婚できるような雇用、給料こそ問題ということである。
日本は、結婚相手に選ばれにくい男性が増えた結果、女性の未婚者も多くなっているのだ。つまり少母化原因説が正しい。
「結婚を希望していた女性が、望む男性に出会えないでいるうちに婚期を逃して、やがて諦めていく」
「結婚を希望していた女性が、望む男性に出会えないでいるうちに婚期を逃して、やがて諦めていく」
ちなみに、以上拙稿諸概念の出典はこれである。プレジデントオンラインにのった荒川和久氏の「男性の2人に1人は子を持たず生涯を終える・・・岸田首相は『まもなく日本を襲う過酷な現実』が見えていない」
最後になったが、子どもらの不本意未婚故に孫を持つという当たり前のことができていない老人が無数になっているはずのこの日本、この時代において、こういう老人たちはなぜ「我が子らのこの窮状」に思いをはせられないのだろう。なぜ、政権党を支持してきたのだろう。一馬力でもなんとか子どもを大学にやれた自分らの時代と比較しないのだろうか。不思議で仕方ないのである。
もっとも、孫が生まれても二馬力で髪振り乱して働かざるを得ない今の日本では、僕の周囲のどの祖父母も子と孫のために東奔西走せざるを得ないのであるが。新幹線や飛行機で、首都圏の子ども家庭を度々助けに行く「祖父母」がどれだけ多いことか!